つれづれ

Flowers for Algernon/ダニエル・キイス

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「明日の記憶」という映画を、TVでちらっと観た。
若年性アルツハイマーをテーマにした小説の映画化。
評価は分かれるかも知れないが、
偉いと想った点。
主人公を、(原作の小説でもそうだったから当然ちゃあ当然なのだが)一人称で語った。
これによって、ひたすら凄惨になるかも知れない病の現場を、
「主観」で体験することになり、
ただ辛いドキュメンタリーを観ることを回避出来る。
だって、自分なのだから。
渡辺謙さんは、演じるというよりも、
少しでもその主観に近付こうとしていた。
ぼくには、堤幸彦監督が何故あの場面やあの場面やあの場面であんな演出をしたのか、
意図がいちいちぐっと来たんです。

テーマが近いのかどうなのか、
「明日の記憶」と 「アルジャーノンに花束を」を比較している人が、やはりネットでは多く見受けられます。
ぼくも、そうでした。あの小説を想い出した。
違いやらは細かく論っても仕方が無い。
Daniel Keyesさんは寡作な作家だけど、
ある時期から解離性人格障害方面についてどっと書き始めた。
一度あんな凄い小説を書いてしまったら、そうなる動機は充分だと想います。

もうひとつ、想い出した作品があります。
ディヴィッド・リンチ監督の「エレファントマン」

……、いないでしょ、これ想い出した人。
連想の理由。
「エレファントマン」で学問的興味でジョンに接した医師が、
次第に彼の人間性を知り、ある種懺悔に似た友情を感じるところ。
「明日の記憶」で、物事が憶えられなくなった主人公から、
茶碗の代金をちょろまかしていたという、あまりにもちっちぇえ陶芸教室のせんせー。
「アルジャーノン」で一番泣けたエピソード。知的に成長し、
職場の仲間のピンハネをそれとなく諭そうとして、チャーリーは友人を失い、
しかし、しかし元の木阿弥に戻ってしまったチャーリーを、
「こいつはイイ奴なんだ」と今度は彼が真剣に庇う。

エレファントマンは、ぼくはホラーだと想うんですね。
つまり人間というのはこんなに残酷でもあるのだ、という恐怖です。
「明日の記憶」も「アルジャーノン」も、2重3重の恐怖を感じさせる。
群像の怖さと、
一方で群像のあたたかさ。

ぼくは喩えば、「他人」として、「彼等」の前で襟を正せるだろうか。
ぼくが「彼等」だったら、もう間違いなく世界に怯えきってしまう。
怯えて死んでしまうかも知れない。

普段あんまり書かないような私見を長々と書いてしまったみたいです。
どうしてだろう。
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by momayucue | 2009-10-28 23:51 | つれづれ | Comments(0)

モンキーマインド・ユー・キューブ・バンドのミュージックライフ。 こんな時代も音楽でしょう!


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