つれづれ

飛ばして行くよ/矢野顕子

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今回はラブレターを書く、たにぴ@もまゆきゅです。

2014年、矢野顕子さんの新作。
彼女の作品は、だいたい半分くらいは買って聴いていると想います。
どういう時に買ってどういう時に様子見にしてるのか、
そのアルゴリズムはわかりませんが、
それにしたって、かなりのファンと言っていいと想います。
傑作、名作、超力作ぞろいの中で、今回のこれはね、
セルフカヴァーも、プロダクションも含めて、
火のように期待してました。

で、聴いてみたところ、何の変哲もない、いつもの矢野さんでした(^^;
期間限定のトレーラーをYouTubeで見ていたのです。
兎に角、うさぎにつの、いけいけのトラックにノッて矢野さんが
いつものピアノで歌う姿は、強靭でどんなテキも寄せ付けない。
…と想っていて、それはあってたんだけど。
泣けた。もう1曲めから、その眩しい音楽に、泣けてしょうがない。

もういいんじゃない?
  伊勢丹たんたん。
両手はあなたを抱きしめるため。
  手さぐりでたしかめ追いかけるけど
  あなたの歩く道なんて寒いの
I will never give up on you
Let me be with you
  わたしたちも いつの日にか
  軽々とすべて越えてゆこう

どおすか?
これらの歌詞を書き写すだけで、泣けてくる。
セルフカヴァーが多いからとケチつけてる人がいるけど、
判ってることなんだから、聴かなくていいんじゃない?
それでも聴く理由があるのなら、捨て曲とでも言えばいいけど、
ぼくは、何度でもこれを聴いて号泣する。
いつもの矢野さんと書いたけど、今回のガッツの入り方は、
ここ最近のどんなものよりも凄くて、
一寸唖然とします。

普段あんまりやらないのですが、今日は若干ゴシップ誌的に。
(勿論、音楽に収斂するからですが)
矢野顕子という音楽家の、デビューからこんにち迄の経緯をざっと見渡すと、
殆ど時代を(たまに)牽引こそすれ、おもねるような時期が無いです。
桁違いに自由で、音楽にだけは刃物のように厳しく、
しかし反面受け入れるとなるとそれこそ「愛の耐久テスト」です。
デビューして、すぐにお母さんになって、しかもその生活をてらい無く歌詞でも歌ってる。
では、母っぷりをアピールしてたかというと、
…どうもそうでもない。ただただ天真爛漫でいい加減。
ティンパン系ではとても有名なアレンジャーと結婚し、坂本龍一と結婚した時にも、
先に子供がいた筈。
欲望に対して真っ直ぐで、欲望に義理立てをちゃんとする。
その為には社会通念なんざ蹴散らす。既製の価値観を検証すら必要ない。
それとね、美しさ、です。
20代30代よりも、最近の方がきれいだ。
表情も、肌の艶も、髪も、遠慮無くきれいだ。
若い頃はそうは言ってもはにかみ屋で、結婚前に妊娠してしまうペースは、
その不思議可愛いみたいなキャラクターに隠れてた。
近頃は容赦ない。やのは、セクシーだわよ。
尤もそんなことは身近な音楽仲間には周知のことで、
だからこその浮名でもあるし、ある程度のミュージシャンなら、
矢野さんの音楽の素晴らしさや、彼女自身の至近距離オーラには、なす術もなかった。
当時のような嫌味な啓蒙や人を選ぶキュートさは、
今はすっかり無くなってます。
難解なところは微塵もなく、ただもうその全存在に心を揺さぶられる。

「電話線」は、これからどんどんなくなっていく。もうじり貧だ。
それでも携帯とかすまほなんて言う間の抜けた普遍性の無い言葉は、いらない。
歌詞になるのは電話線です。
「耐久テスト」は、耐久に価値があるんであって、永遠に挑むことではない。
まあ、永遠ってのも悪くはないけどね。
飛ばしていく…それは、音楽エネルギーの問題だ。物理学の問題だ。
ある言葉で息を吸う、その次のメロディの飛び方だ。
レイハラカミも、大村憲司も、そこにいる。飛べ!矢野顕子!




























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by momayucue | 2014-06-25 22:49 | つれづれ | Comments(0)

モンキーマインド・ユー・キューブ・バンドのミュージックライフ。 こんな時代も音楽でしょう!


by momayucue
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