つれづれ

Apollo: Atmospheres and Soundtracks/ブライアン・イーノ

d0041508_1992248.png

環境にとても左右され易い、たにぴ@もまゆきゅです。

音楽ジャンルにおける、
「アンビエント・ミュージック」と、「アンビエント」は、
どうやら別物になっていったようです。
リズム&ブルースとR&Bが全く違う音楽になったような意味を、
アンビエントものも辿っている。
ぼく自身は、所謂イーノものから認識したクチですから、
アンビエントでハウスってのは、それは環境音楽とは違うと想っちゃう。
ビートは暮らしの中でそんなに顕著なものじゃない。
どんなものにも、リズムは含まれている。でも、
日常のビートは密やかに、そっと時間の中に染み込んでいるものです。
ある時期から音楽スタイルとして定着しているアンビエントものは、
言わば、工場の付近を通ったり、地下鉄に乗ったり、
生活の物音が突然ビートを帯びたものになる瞬間の音のような、
人生の中にサウンドトラックが生じ、時間の性格を変えるもの。
多かれ少なかれ音楽はそういうものでもあるし、
環境音楽は、それを提唱するところからスタートしている。
当然その解り易さから、かなり劣化した品質の音楽も大量排出(文字通り)しちゃったけど。

アポロ計画のNASA記録映像用に、イーノが音楽を作った。
それが、これ。ダニエル・ラノワも素晴らしい。

宇宙を体験する音楽という「お題」というか依頼というかがあったら、
どんな音楽がサウンドトラックとして考えられるだろうな。
こういうのを考えるのが愉しくて。へへ。
クイーンのフラッシュ・ゴードンも派手で良かった。
ジョン・ウィリアムスも定番だ。
沢山あるけど、基本的には「宇宙を舞台にした物語」であって、
「宇宙に行った」という音楽とは違ってくる。
「ゼロ・グラビティー」でジョージ・クルーニーが、
よりによってハンク・ウィリアムスを聴きながら宇宙遊泳してたのには愕然としましたが、
あの強引さは、多分彼のパーソナリティーを想像させる為の、言わば説明であって、
観客へのBGM提供ではないでしょう。

エコーと、パッド音と、奇妙に湿ったシンセサイザーのフレーズ。
それから、意表を突いたようで全く違和感が無いダニエル・ラノワのペダル・スティール。
違和感ある人もいるかも。でもぼくは無かった。いいよこれ。
本当に凄い人物というのは、最先端じゃないのかも知れないなと
イーノを見て想う。
80年代、イーノをあまり評価出来ないでいたんです。
トレンドセットをしようとしているんじゃないかと想ってたんです。
ところが、或るインタビューでのたった1行が、覆した。
痺れました。さあ皆さんにも痺れて頂きましょう。
「最近興味を持っているテクノロジーは?」
「うん、ファクスはいいね」
FAXです。
当然ながら、メールもWebも今程当たり前では無かったけど、
音楽の世界って、90年代前半位迄は、
テクノロジーの最先端はまずそこに集まるものでした。
サンプリング、MIDI、様々な空間へのインスタレート。
ミュージシャンが新しいことを知り、試し、
莫大な費用をかけてアートを作ってたんです。
つまり、音楽家はFAXが新しいなんて誰も想ってなかった。
では、Brian Enoは、そのFAXから何か新しさを垣間見たのだろうか。
多分、音をドットに置き換えることと、斜めに送れてしまったりすることが、
可笑しかったんだと想う。
ガジェットです。
新しさもトレンドセットもムーブメントもなくて、
自分に出来るよいものを作る。
自分じゃなくてもよいものを作るんだったんだ。
…結果的にはそこは彼も間違っていて、
4bit位の劣化した物真似の環境音楽がゴマンと作られ、
どうしてもその距離は埋まらない、イーノは凄いんだ、と知らされる。
イーノはずっと、凄くないものを作ろうとしてた。
しかし誰もおいそれと追いつけなかった。

環境音楽を、FAXのレベルから問い直せたらな、と、今ぼくは想ってる。
[PR]
by momayucue | 2014-10-18 19:09 | つれづれ | Comments(0)

モンキーマインド・ユー・キューブ・バンドのミュージックライフ。 こんな時代も音楽でしょう!


by momayucue
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31