つれづれ

U.S.J/チャー

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生活すること以外に国籍に関心が薄い、たにぴ@もまゆきゅです。

Charの「U.S.J」というアルバムがあります。
物凄くテキトーな成り立ちで、
単に、当時破竹の勢いだったTOTOサウンドを日本でという、
身も蓋もない発想の音です。
呼ばれたL.A.にチャーが着いたら
もうスティーヴ・ルカサー主導でオケが出来上がっていて、
ルカサーとチャーのバーチャルなギター・バトルがあったり、
もろにエア・プレイなヴォーカル曲をそれ風にチャーが歌ったりしてます。
アルバムのタイトルは、誰がつけたんだろうね。
まさか関西の遊園地のことじゃ当時あるわけはなくて、
United States of Japanと言いたいんでしょうね。
これ、凄くない?だって、「日本合衆国」というタイトルで、
アメリカの演奏者ががっつり参加してるんだよ。
経済大国だった頃の日本。アメリカを属国扱いしてみたっちゅう体裁。
「当時」とは、1981年のことです。

ところが、主役のチャー曰く、
「うるとら・すぴーど・じょぶ」とのこと。
本人がレコーディングにかけた時間は僅か5日。
ギターソロとヴォーカル。それだけ。でもプロデュースのクレジットはあり。
多分実際には選曲にすらろくに関われなかったんだと想います。
ファンの間でも、当然本人にも、不評。だってTOTO・Airplayだもの、もろ。

ところが、そちらのサウンドとしての完成度はどうかというと、
これは全然テキトーじゃない。
いや、技術だけで出来てしまうものなのだということなのか。
書きおろしの曲も、ちゃんとしてる。
ミックスの感触もいかにもウンベルト・ガティーカな霞とクリアの狭間で、
パワー感を抑えた見事な仕事。
AOR界隈で、かの中田俊樹さんに至っては、
「日頃のお仕事セッションの鬱憤を晴らすかのような」
演奏をミュージシャンがしているという認識。
確かに、そちら方面のファンにはたまらない内容だと、ぼくも想います。
なのでまあ皆さま色々ご不満もございましょうが、
フィーチャリング・チャーなアルバムってことでひとつ。

唐突ですが昔々、
谷村新司&ばんばひろふみのラジオですっごい面白いのがあって、
配達のバイトしながらよく聴いてました。
欽ちゃんスタイルで(っていうかラジオの一般的スタイルで)、
リスナーからのコント葉書を読むってヤツ。
「或る日、ばんばひろふみが悲しんでいると、
谷村新司が通りかかり、
『どうしたのバンバン、うれしそうな顔して』」
っていうのがありました。
単純だけど、面白かった。笑った。
でねでね、本人の意図と周囲からどう見えるかとか、全く別なのよ。
流石にこのネタから学んだんじゃなくて、
これは単に引用だけど。
評価を他者に委ねるというのも、あってるけど、そこだけ見てたらよくない。
この場合のぼくが想う「よくない」は、
評価する他人の側が、評価を通して成長する、つまり、
自分には今はよくわからないけど、そのうちわかるかも知れない、の意味。
評価だけしてればいいってもんじゃない、ってことなんです。
評価者はかなり独善的です。
評者「これは、怒りの表現でしょ?」
作者「いえ、これは諦めの表現なんですよ」
と確認することは難しいのが実態というのもあるけれど、
「作者の怒りが伝わってくる」と語るケースがあるわけだから、受け止める側には。
怒りを感じる…なのが本当なのに、主体を勝手に作者にする。
「…したいのはわかるけど、それはダメだ」
勝手に憶測して、こき下ろす。

ただそれも、マナーの問題だし、
結局よかれと想ってこのアルバムを褒める人がいたら、
その感想もあり得る。
やる気ゼロで作った映画がヒットしたり、
ヒットをステップに今こそ自分の作品を認知して貰いたいと張り切っても、
素晴らしい作品が酷評されたり。
もっとひどい時は、本人も意識していないくらいパワーがある。
ブルース・スプリングスティーンが the Riverという傑作アルバムを出したとき、日本の沢山のロック系ミュージシャンが、そのサウンドに影響されて、
まるで、自分のやるべき音楽が見つかった!と舞い上がってた人もいたんです。
ニュー・ミュージック然としてた人達が、いきなりロックンローラーになった。

それは誰のせいでもない。
TOTO・Airplay路線がどちらかというと苦手なぼくから見ても、
このアルバムの水準は本家に匹敵するし、いいと想う。
Char本人が乗り気でなく、満足もしていなかったとしても、
そんなことがあるんだよね。

それでいい作品が作れるのなら、それはそれでいいけれど、
あるインタビューで、
「テクノカットにしろって事務所に言われたこと、あるんだよね。
長続きするわけないって拒否したけど」
と語ったチャーの姿勢も、素晴らしいことだと想うんです。
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Commented by ata at 2014-10-24 13:37 x
これよく聞いたな。まあスモーキーばっかリピートですんで全体の印象はよくわかりません。兄さまがリアルタイムで買ったアナログでし。ルカサーはヘッドホンして卓の前でギターを弾き、チャーは耳栓してスタジオに入る。ってインタビュー読んで大笑いした記憶があります。
Commented by momayucue at 2014-10-26 00:26
ataさまよーこそ!
このアルバム、すっごい短いの。だから、
スモーキー聴けば半分は聴いてたことになるかも。
兄さまは好きだったのかなこれ。出来はいいんだけど、charの普段との方向性がね〜。
by momayucue | 2014-10-21 23:17 | つれづれ | Comments(2)

モンキーマインド・ユー・キューブ・バンドのミュージックライフ。 こんな時代も音楽でしょう!


by momayucue
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