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つれづれ

Remasters/レッド・ツェッペリン

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3大ギタリストならジェフ・ベック派の、たにぴ@もまゆきゅです。

Led Zeppelinが、所謂包括的なロックバンドというものの中で、
最もロックという思想を具現化した。

仏作って魂入れず、ということわざが日本語にはあって、
或る意味抽象的で便利な言葉です。
どんな場合でも批判的に用いることが出来る。
英語に直訳だと、すっごいカッコいい。
"body without the soul......"
ぶちのめすぜみたいな気合いを感じる。
"Ploughing the field, and forgetting the seed."
なんて、ごもっともな言い回しもあるみたいです。

思想が、「ない」という状態がぼくは実はとても気にいっていて、
だから、破壊衝動だとか求道者としてのエネルギーが無くたっていいじゃんと想うんだけど、
Zeppelinはそちらへの振れ幅が物凄かったねえ。
皮ゆるゆるなドラムも、ミスタッチだらけのギターも、
ファッションも、凄かった。具現化されたロック思想そのものだった。
魂が入った仏だった。
政治的な内容も、啓蒙的な内容も、理想主義的な内容も、原理主義的な内容も、
一切無かったから、
ツェッペリンがオピニオン・リーダー役になることもなかった。けれど、
誰もが、ひたすら理不尽にあのロックに巻き込まれた。

バンドの全体を見ていたジミー・ペイジは、何を目指していたんだろう。
ジョン・ボーナムが他界した1980年以降、ジミー・ペイジは、
「あのドラムスが再現出来ない以上、もうツェッペリンではない」
と解散を宣言し、その後の人生の殆どを
Zepの過去音源の再構築、発掘、リマスターに費やしているように想えます。
きっと、最もあのロック思想の中で身動きが取れなくなっているのは、
他ならぬJimmy Pageかも知れない。

さて、「思想」という言葉使いに違和感を持つ人、いるでしょう?いない?
取り敢えずこの場では、形も質量も無い集団的無意識のことを、
わざと面倒くさく、「思想」と呼んでます。
柄谷行人の影響です。
コカ・コーラは思想だ。マクドナルドは思想だ
というあれです。
コカ・コーラとマクドナルドは、アメリカ製POP思想のアイコン。
ロックは、言葉にならない苛々や言葉にされてしまった苛々を、
音楽の枠さえも超えてプリントした思想。
音楽枠を超えてとしたのはつまり、音楽じゃなくてもいいんだ、多分。
音楽以外でツェッペリン的なものを表す方法はある。
でも、音楽の枠を超えて、ロックは何をしようとしたんだろう。
ぼくはロックについて想うのは、
「けっ!」
という発明。これ以上説明するのは、一寸ぼくには難しいけれど、
絵でも、オブジェでも、映画でも、この「けっ」という感覚は存在していて、
それは皆、ロックだと想う。
ただ、茶化すにしろ攻撃するにしろ、具体的批評に流れる傾向は強い。
戦争や、荒廃や、差別や、格差や。
当然でしょう、ぼくだってそうするもん。
しかしツェッペリンは、ただもう荒ぶる音楽なだけ。
ミスも何ももろともせず、全てが荒削りのまま、しかし完成したアートだった。

どうしてそれが出来たのか、よく解らないけれど、
ぼくのようなロックから遠い人間から見ても、
ひとつの究極を感じるバンドです。
お互いを尊敬し、バンドという人間関係を高次元で捉えていて、
果てしない悪ふざけも、その尊敬があってこそ。
「あいつは最低のヤツだ」という言葉は、ツェッペリンでは聞いたことがないな。
ビートルズも、WHOも、確執や危機はあったのにね。

ジミー・ペイジはこれ迄何度もリマスターを行ってきたし、
リミックスや未発表テイクも出してるけど、
このジャケットは、その初期のもの。
かなりアナログくさいベスト盤になっている。いい味。














Commented by こぞ at 2014-11-13 21:53 x
短い曲でさえも一曲通してギター弾けないくせに「Stairway to Heaven」の最初のとこだけを楽器やらない人の前で弾いてみせるボクはとても「けっ!」な奴です。
Commented by ATA at 2014-11-14 18:07 x
コメントを色々考えて結局、音楽は1ミリも媚びてないのに、ものすごく金の匂いがする唯一無二のバンドだと思う。
けっ、って思いながらぶちかまして俺たち無敵って思いながら活動して1番認められた最初で最後のバンド。
Commented by momayucue at 2014-11-15 03:07
こぞさま
ぼくは、ピアノがあると必ずやジムノペティか戦メリの、イントロだけ弾きます。
Commented by momayucue at 2014-11-15 03:10
あたさまどもども
このあとの派手なバンドは、ミュージックライフになってくんだよね。
それはそれで悪くはないけど、
ジミー・ペイジみたいに永遠に作り直すようなのは、
凄い例外だと想います。
by momayucue | 2014-11-12 21:55 | つれづれ | Comments(4)

モンキーマインド・ユー・キューブ・バンドのミュージックライフ。 こんな時代も音楽でしょう!


by momayucue
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