つれづれ

Tijuana Moods/チャールズ・ミンガス

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現役宅録少年の、たにぴ@もまゆきゅです。

むかしむかし、カセットの4TRで、自分で色んな楽器をダビングしてました。
ピンポン録音、パンチイン、かなりやりました。
無茶しましたよお、違う楽器がひとつのチャンネルに入ってたら
普通ミックス出来ないもの。
って言っても4TRだから、見当つけて、
「よしっ、こっからグラスハープだ」
とか想って音量上げたり。
でも、カセットだったから、所謂テープ編集はしなかったです。
カセットテープに鋏を入れるのは、凄い勇気要りますよね。

Charles Mingusは、生真面目なのか何なのか、
まだそんな技術が一般的じゃない頃から、
オープンテープを切って繋いでをやってました。
このアルバムなんて、1957年録音って、どういうことなんだろう。
しかも発売は、1962年。これは、ビートルズがデビューした年だけど、
ビートルズ以前に録音テープを糊で繋いで作品化する文化があったなんて、
控え目に言って、驚きです。
ぼく自身の音楽体験以前の時間がどういう配分だったのかって、
リリースだとかは雰囲気で判るけど、
技術的なことは調べてもその前後関係迄はなかなかね。
ちゃんと腰を据えて研究しないと判らないです。
それにしても、ミンガスがこのアルバムでかなり大胆なテープ編集を敢行しているのは、
とんでもないことだったんじゃないかな。

例えば、こんにちのシリアスなジャズのアイデンティティーは、
ライヴなもの、インタープレイであることが復権してきて、
80年頃からのレコーディングで何かと凝ってみることよりも、
最初から最後迄の音楽的ストーリーに重きを置くようになってます。
POPSとの差別化のつもりなのか、そこは人それぞれだろうけど、
その傾向は全体的にはぼくは歓迎します。

違うものもあっていいと想うけど。

では、当時の、50年代のJAZZはどうだっただろう。
40年代にアメリカで所謂流行歌が出てきて、
JAZZはそれ迄の明るいダンス音楽から立ち位置が変わり、アート指向が勃興する。
生真面目なミンガスはインタープレイへの拘りもあったけれど、
新しい事への関心も大きかったんです。
ぼくの経験では、やはりパンチイン録音とかは最初抵抗があったけど、
一度始めると、演奏はつぎはぎになっても、
その後工程も自分でコントロール出来るのは、画期的な体験でした。
多分ミンガスも酩酊したんだと想う。
この作品全般に観られる、無茶振りな展開。
スペイン音楽のカスタネットからJAZZへやがて変わってって、
時々、またカスタネットになる。
それで、取り立ててJAZZパートがスパニッシュになっているかというと、
そうでもなくて、…ぶっちゃけ全然別モノなんです。
消化しきれてなかったのか、
それともここに壁をこせる突破口があるのか。
後にJAZZ界に起こった変遷から考えると、ぼくの眼から見てに過ぎないけど、
有機的な融合というレベルではなく、「一寸混ぜてみた止まり」です。
ただこのアルバムの価値は、
そのカットアップ的な唐突さを本人の肯定の元に行っていることです。
唐突だろうが有機的だろうが、これは作品なのだという意志。
その強固さは、人種問題にも真っ向から立ち向かう生真面目さに起因するのか、
それとも芸術家ってのは時に独善的なものなのか…。ふふふ。

ぼくは実は、ミンガスの熱烈なファンってわけでもなくて、
一番好きなのは、デューク・エリントンとのトリオで、これはかなり危険な代物。
一般的なピアノ・トリオは、ビル・エヴァンスが教科書を作ってしまってるんだけど、
エリントンとミンガスとマックス・ローチは、
共闘しているような、抜け駆けを狙ってるような若い二人をピアノが圧倒してるような。
で、その凄みを、ミンガスはどの作品でも燃え滾らせているんです。




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by momayucue | 2015-10-01 22:44 | つれづれ | Comments(0)

モンキーマインド・ユー・キューブ・バンドのミュージックライフ。 こんな時代も音楽でしょう!


by momayucue
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