AOR,熱烈お勧め

AOR熱烈お勧め! Mocky のコンサート・レポート

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モッキー
Mocky

2015'10/7 渋谷の"WWW"にて、この人を食った愛称のカナダ人のコンサートがありました。初来日です。彼自身も開口一番、
「やっと!」
来れた、と言ってました。

あらゆる角度で常識を覆すコンサートに、ぼくは熱狂しました。素晴らしかった。

2000年に入って登場したばかりの頃、彼はどちらかというとマシンを使ってトンガリながらも緩やかめのクラブ・サウンドを作るミュージシャンでした。大きく変わったのは、2009年の"Saskamodie"から。逆になったんです。真逆。マシンを基盤には全くせず、殆どの楽器を自分の手で演奏した。メロディアス、しかし、歌詞は少なく、スキャットばっかり。クラブ・サウンドにも対応するソフト・サウンディングに回った。緩やかだけど、もしかするとトンガってもいる音楽になった。AORと呼ぶ程にタフな演奏でもなく、どちらかというと下手っぴなのに、超絶センスがいい。しかもね、センスがいいだけで、音楽的な転調やらテンションコードやらを多用した通好みなものでもない。あれも足りないこれも足りない…。だが、最高としか言えない。

誰に例えたらタイプ的に近いだろう。ロジャー・ニコルスかな。アルバム的には、若干そんな香りもします。
一方ライヴでの奇人ぶりはStephen Bishopにフィル・コリンズをまぶしたよう。ぼくは、オールスタンディングの前から2列めに陣取り、踊りまくり歌いまくり、最後にはとうとうステージに上げられてしまいました。シンバルを叩いたり、マイクをスタンドから外して客席に向け歌わせてたニッポンジンが私です。当日いらした皆さま、お騒がせしました…。

一旦、AORお勧め路線に戻り、作風の話をします。前出の通りロジャー・ニコルスやジム・ウェッブのようなシンプルだけど含蓄のある美しいメロディ。最新作は"Key Change"というタイトルなのに、転調は別にしない。ちゃんとした歌詞のあるヴォーカルものは半分程度だけど、それらのメロウっぷりは、間違いなくAORファンに訴えると自信を持ってお勧め出来ます。特に今作はスタジオが良かったのか、音もとてもいい。ストリングスも見事。そしてこのナイーブさは、全てを自分で演奏しているからこそで、きっちりスコアを施して巧いミュージシャンに演奏してもらったら、それはそれで楽しみでもあるけれど、「わびさび」というか、「滋養」のようなものが抜け落ちてしまうだろうと想われます。

そんなSoft&Mellowなアルバムに対して、ライヴはどうだったか。

新作のジャケットはツアーの宣材で着ていた奇天烈なガウンと、奇天烈な麦藁帽。帽子はメンバーみんなが被って登場し、その辺のものを叩きながら演奏開始です。モッキーはコンパクトなドラムセットと、時折り弾くアップライト・ベース。鍵盤の少ないレアもののフェンダー・ローズに、JOEY DOSIK。パーカッションとコーラスの黒人の女の子NIAちゃんはとてもキュート。そして日本側から参加したミュージシャン達。若干当初のインフォメーションと違い、女性のバイオリンが2名。コンガと時折りドラムの男性。以上6名。そうです、ギターはいないんです。ベースさえ、Mockyがドラムを叩いてる時には、つまり殆どの時間、いない。しかし、ベースレスなサウンドが苦手なぼくにしては全く問題なかった。実に楽しそうに演奏し、ふざけたりしながら、オーディエンスを盛り上げてます。マイクのことも意識してる風ではなかったので、かぶりつきのぼくらは生音も聴こえてたし最高だったけど、後ろの人達は、けっこう聴き取りにくい音じゃなかった?次からはPAの準備をどうするかと、お客さんはみんな最前列に移行とすると想う。
彼自身が客席に差し出したシンバル・スタンド。みんなが叩く。ぼくは手にしたハイネケンの瓶を伸ばし、シンバルを割らないようにそっと叩いた。そのアイデアを気に入ってくれたらしく彼は最後の最後に、ぼくをステージに上げてくれました。こんなことは人生で初めてだ。暫くステージ上で踊ってみたけど、すぐにネタが尽きたぼくは、ドラムセット内のヴォーカル用マイクを取って、客席に向け、コール・アンド・レスポンス。凄いなー、お客さんにマイクを向ける、ステージ上の客という構図。いい想い出になった、とコーラスの可愛いNIAと握手。

少し短かったけど、とてもとてもとても楽しかった。コンサートが終わった後、階段横にモッキー本人。どさくさに紛れてしばし立ち話して、サイコーだった!とか、言いまくりました。
谷「ごめんね、シンバルを瓶で叩いて…」
モ「いやいやあれはいいアイデアだったよ!アリガト!」
ゆーこさんが貰ったサインには、メンバーお気に入りの日本語、「amai mono」。

客席にはFishing with Johnさんも偶然いらして、ぼくがステージに上げられたところを見ていたそう(そりゃそうだ)。ぼくは興奮状態のままここでも立ち話。

そんな訳で、もしかするとコンサート・レポートを読んだ方は、これは前衛とかとっつき難いものと想っちゃうかも知れませんが、全然そんなことないです。小難しさは1ミリたりともない、誰でも絶対に楽しめる。しかしね、その幸福さに呑まれることなく、是非ぜひ多くの人に、最新アルバム"Key Change"を聴いて欲しいです。アルバムが売れる時代ではないと叫ばれて久しいですが、実はアナログ・レコードは、音楽業界全体を照らし直す迄はいかなくとも、市場を5年前の数倍にもしている。そして、DJでない音楽ファンが求めてるのは、こういうレコードなのでは。勿論CDでもいいルイ・フィリップやジム・ウェッブのコレクターで満ち足りているという方、たまにはこんな、2000年代以降の音楽にも手を伸ばして下さいませ。緩いです。で、ぼくには、最高です。






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by momayucue | 2015-10-10 19:27 | AOR,熱烈お勧め | Comments(0)

モンキーマインド・ユー・キューブ・バンドのミュージックライフ。 こんな時代も音楽でしょう!


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