つれづれ

Even Now/バリー・マニロウ

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吉野金次さんをエンジニアとして以上に尊敬している、たにぴ@もまゆきゅです。

創刊間もない頃のレコーディング・マガジンに、
吉野金次さんが時折りアルバム・レポートを書いてました。
吉野さんらしく非常に穿った視点で、時にはミック・ジャガーの初ソロに対してさえ、
「良く出来たポップ・アルバムを、ミックが作る必要があるのか?」
とばっさり。
たとえそのプロデューサーが当時最も尖っていたビル・ラズウェルであっても、尚更
期待値に満たないと、組む理由がない、と。
吉野さんこわーい!
ジェイ・グレイドンが好きだと言ってました。しかしそれも一筋縄ではいかず、
音楽の奥底にまで入り込んで何かを感じ取っていたよう。
それは、フィル・ラモーンに対してもそうでした。
ビリー・ジョエルポール・サイモンが比較的ロック畑で、
その他はMORなプロデューサーであっても、吉野さんには本質が視えていた。

BARRY MANILOWの「コパカバーナ」という曲に、洒脱なポップからはみ出したものを感じ、「救われた」と迄言っていたのは、
ぼくが知る限りでは吉野さんただ独りです。
仕事漬けで自分を見失った日々に、何故かあのソーシャル・ディスコが沁みたらしい。

Barry Manilowというシンガー・ソング・ライターは、
様々なアプローチをしながら、結局のところ謙虚な職人に留まっている。
おそらくマフィアに顔が利いたり選挙に駆り出されることもない。
作品に例えばジャズを塗すことはありましたが、それは借り物以前のリズム。
ポピュラーであることに、余程拘りというか誇りがあるのだと想う。
違うのかな…本人はやってるつもりなのかな。どうだろ。
とは言えそれは音楽的に全くマイナスではなく、作品の素晴らしさはずば抜けている。
他には、リチャード・カーペンターや、筒美京平がそうだったかも。

ヒット曲やポップ・スタンダード満載のこのアルバムを聴きながら、
世界を小さくしているのは、ポピュラーでもジャズでもロックでも同じだと想います。
マニアックであることや、マッチョなことだけが誠実ではない。
リスナーって、贅沢だよね。TPOに併せてムード歌謡やライトクラシックや懐メロやマントヴァーニや、
New Ageやアンプラグドや48やを選びながら、
キッチュとヒップを行き来している。それでいてプロにはキャラクターを求める。
ぼく自身は、出来れば我儘なリスナーのまま作家でいたい。
しかしそれは、想像するよりもずっと難しいです。
リスナーの我儘を、独りの作家が背負える?趣味を超えて?いや、趣味の範囲に過ぎない。

せめてぼくは、ポピュラーを尊敬していたいし、
実際にバリー・マニロウを尊敬している。
「コパカバーナ」の歌詞、知ってますか?実は歌詞ってものは手強いんです。




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by momayucue | 2015-12-06 00:51 | つれづれ | Comments(0)

モンキーマインド・ユー・キューブ・バンドのミュージックライフ。 こんな時代も音楽でしょう!


by momayucue
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