つれづれ

今日も今日とて木場へ

 時々木場の「東京都現代美術館」に行くことがあります。
 今日は「大竹伸朗全景」。とは言ってもこの高名な作家(画家?ミュージシャン?絵本作家?デザイナー?)を以前から知っていたわけではなく、地下鉄のフリーペーパーに載っていたのを偶然目に留めたからなんですけどね。「ジャリおじさん」は以前から良く知ってました。作家本人が「ダブ平&ニューシャネル」に無表情に座ってる写真を見て、ああこれは行くしか無いなと思いました。

 ちょっと話は飛びますが、わたくしの忘れようとしても忘れられない美的経験のことを書きます。大学で美術史を専攻していたんですが、その学科では学生が3年生になると、仏教美術を見学するために奈良に行く慣習がありました。今はもうありませんが、奈良では「日吉館」という旅館に泊まるのが決まりで、「ノロさん」と呼ばれる、ちょっと知恵おくれのおばあさんが仲居さんをしていました。女将には結構きつく当たられていたようなイメージがあるのですが、それは私の偏見のせいかもしれません。私は、ふとしたことでそのノロさんの部屋のふすまから、ほんの一瞬中を見てしまったのです。
 忘れようにも、中の衝撃的なビジュアルはいまだに忘れられません。部屋の中は、天井も壁も床もすべてヒナ壇のような緋毛せんで覆われて、真っ赤でした。そして、緋毛せんの上には、蜘蛛やムカデやゴキブリや紙雛やキューピーさんやカエルや、、、ありとあらゆる「キッチュ」と名のつきそうなおもちゃで埋め尽くされていました。私はすぐその場を離れたはずなのですが、もしかしたらしばらく目が離せなかったのかもしれません。最初、お人形さんがたくさんの部屋だと思ったのに、だんだん目立たないようにつるしてある蜘蛛のおもちゃやゴキブリまでがいるその不気味さに背筋がぞっとした、その時間経過を覚えているからです。
 
 それ以来、その体験は私の頭の中では「豊潤」という語と結びついています。ここから大竹伸朗のスクラップブックは一直線です。(なぜ?と思われる向きもおられるでしょうが、そこはちょっとはしょります)キャンバスに平面的に貼り付けられたコラージュより、本のままのスクラップブックを時間に縛られずに眺めていたい。「網膜」シリーズにもたまらないものがあります。特に、5センチ四方くらいの細切れになった紙片が針金で吊り下げられているのなんて見ると、一つ一つ舐めるように読みたくなります。それにしてもこの作家は多作ですね。ほかにも何があるのか把握したくて、今日は全体を見るのが精一杯でした。12月24日までやっているので、再度スクラップブックの背表紙でも眺めに行こうかな。残念ながらガラスケースの中に鎮座するその本のページを、観客はめくることはできないのです。その手が届かないところがまたいいのかな・・・でもやっぱりミュージアムショップでは大竹製豆本を買ってしまいました・・・(文責 かんどり)
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Commented by 現代美術オタクなたにぴ at 2006-11-05 00:35 x
大竹は、ポップ・オブジェ作家界のみうらじゅん…、は安斎肇か。若い頃は、今で言うトップランナーの最右翼ですかね。糸井さんみたいな感じかなぁ。ごめん変なコメントで。ちと酔ってるもので…。
by momayucue | 2006-11-04 22:31 | つれづれ | Comments(1)

モンキーマインド・ユー・キューブ・バンドのミュージックライフ。 こんな時代も音楽でしょう!


by momayucue
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