ゆーこさんのヴォーカルと、割りにでしゃばりなたにふじのギター伴奏。このスタイルが90%。ゆーこさんがピアノを弾き、私が歌った、My favorite thingsなんて、その場にいらした方にはかなり驚きだったのでは。あれだけ弾けるなら、もう一寸キーボードを使う場面があってもいいのではないか、と感じた方も、少なくないでしょう。げんに彼女がピアニカを演奏する時もあります。ベース担当が元気に参加してくれてた頃は、70%位はそのトリオのスタイルで演奏していました。現在彼はいませんが。
そしてたったこれだけのコトに、もまゆきゅの、或いはたにふじの、更には比較的巷アマチュア音楽シーンの、ひとつの傾向があります。
一寸勿体ぶって、たにふじ個人の音楽のシュミなどを切り口に。
私は、ベースという楽器に、非常に拘っています。所謂マニアではなく、だからリッケンとかジャズベとかピックアップがどうとか、そういうものではなくて、弦楽器としてのベースが、無いと落ち着かない。普段はそれでもそんなでもないです。問題なのは、ドラムがあるセッションには、どうしてもベースがないとダメ。それもシンセベースではあきまへん。どうしてもベースギターか、アップライトのコンバスかがないとあかん。この奇妙な条件をかいくぐった楽曲は、ごくごく僅かです。YMOの数曲、プリンスの数曲、それから、…今は想い出せない。これが打ち込みのドラムであれば、シンセベースでも何でもいい。しかし、人がドラムを叩いている時はベースが無いと…、こんな拘り、あまり一般には無いんじゃないかな。たにふじは、そこをどうも寛容になれない。
さて、もしこれを読んで下さってる親愛なる皆様の中に、アコースティックユニットを組んでる方がいらしたら、もうひとつ楽器が欲しいという時に、何を最初に想起するものでしょう。ピアノか、一寸したキーボード。リード楽器。パーカッション。
ええと、もうひとつだけと限定した場合に、「ドラムを」という人は、かなり明確なコンセプトを持っているか、かなり仲の良いドラマーの友達がいるか、天才的に無頓着な人か、なのではないでしょうか。で、もう一寸オーソドックスな人なら、例えば私なら、もしドラムの参加が可能になったら、次にベースパートを捜すんじゃないでしょうか。
ドラマーは少ない。背景は、高いのと場所を取るのと住宅事情とポータビリティーの悪さ。すんごく玩具っぽいもので、可愛いのも一応ありますけどね。セッティングするとそれなりに場所を取る。しかしこれはキーボードも同じでは、いやそれ以上ではないかしらん?もっと言うと、電源もいるし(エクセプト ピアノ)。我が国の住宅事情。ドラムを叩くなんてトンでもないアパートに住んでる人は、自分のセットを持っていても、それを実は家で叩く事さえままならなかったりして。で、ライヴの時にフルセット運搬も出来ず、ポータビリティーが利くのはスネアとシンバルくらい。
しかし、そういった事情もありつつ、ドラマーが少ないのは、やっぱり楽音を歌えない楽器だから、かなぁ。高校生の頃、ドラムばかり叩いてた時期があります。兎に角、うさぎにつの、演奏して楽しい楽器だった、でも最終的に私は、ドラマーの路を選ばなかった。
とあるクラブ・ジャズのセッションで観た、若き日のクリス・ミン・ドーキー(これ、たにふじの07年ベスト3です)。
フレットレスベースだけで屋台骨を支える羽目になった、腕もアタマの柔らかさもグンバツの、気の毒なピノ・パラディーノ。ベースに要求したくなっちゃう要素は、しびれる程広範囲。ハーモニー(コード)の起点。ノリ、グルーヴ。メロディやカウンタ・メロディ。フィルのインパクト。もの静かなインテリジェンス。そしてルックス。いやあベーシストって、プロもアマチュアも巧いもヘタも、大概カッコイイ!オレはカッコヨクないぞ、というベーシストさん、挙手をお願いします。…はい、却下!残念あなたはカッコイイ!!
以前ベース奏者が加わってくれてたもまゆきゅは、コードの起点とリズムを得ることで、少しは余裕も出来たし、自由度も高まってました。だからこそ、どの曲でもベースを入れたくなる。
もしドラム「だけ」ボコッとバンドに参加してくれたら、うーん、楽曲への関与率は、15%?すぐアイデアも枯渇したろうな。所謂リズム帯を持ったバンドなら別ですが。つまり、通常のバンドセットなら。
通常のバンドセット。ベースとドラム。その他は「うわもん」。ギターが乗っかる。ピアノが華麗に乗っかる。ヴォーカルが、ダンスしながら歌う。ドラムとベースは、基本的には、何かを「乗っける」役割を担います。ところがその守備範囲の違いからか、「あとひとつ楽器を」となった時に、プライオリティの高いのは、一般に、勿論私も、ベースだなやはり。
実際、ベースがいなかった頃、或いはベースがいない今、自分がいかにベースを求めているかがわかります。ギターで、ハイポジションでコードを響かせるというのを決意するのに、やたら勇気がいるんです。ベース音を使わなくても、ハーモニーの起点は作れる筈なのに。その辺りは、自己流ギターの限界かも、やっぱり教室行こうかな…。
多弦ベース、フレットレス、ギタロン、ヴィーナ(なんちて)、コヤブボード、スティック、コントラバス。などなどなど。
低音を得意とする(当たり前だわ)これら弦楽器。その多岐に渡るタフな役割は、手数でカバーでもなく、むしろ逆。多かろうと少なかろうと、マルチプルな音楽家でいないと役割を担い切れない。もまゆきゅにおいては、私が気ぜわしいから余計ですわ、ほんまに。
しかも怠け者のたにふじは、只でさえ一杯いっぱいのこの楽器に、更なる役割を。例えば、「乗っける」専門のこの楽器に対して、「乗っかって」欲しい、とか目論んでしまうのです。
これ、実は企業秘密。なかなか時間の制約があってうまくいかないものの、私には幾つかこのテのアイデアがあって、その策をこうじる事によって、予算と人材不足のドラムレスバンドに、きっと清々しい風が吹く……かもよ。
ただ、私と出逢うベース奏者は、ベースラインが弾けなくて欲求不満になるかもよ。
ゆーこさんのミクです。音は聴きました。
アレンジも演奏も素晴らしかったですね。
曲はたにぴさんが作られるのですか?
元々は3人で活動してたのですね?^^
聴いて下さって、ありがとうございます。
曲は大概私が書いています。Candyはゆーこ姉さんの作曲です。
歌詞は、半々くらいかな。
次作の要望も頂いてはいますが、
そちらはまだまだかかりそうデス。