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小理屈「いやカタいのなんの」

未来

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人類には、あとどの位の時間が残されているのか、知らない。
しかし、自分が音楽を作り続ける時間と分量なら、何となく解らないでもない。

そして自分の事情と関係なく、音楽出版産業が今後どうなっていくかについて、ちょくちょく仮説を立てている。それはいい意味で的中しなかったり、途中迄は読めていたり、予想外の事情が横やりで入って、下方修正をしたり。ずばりだったのに株を買ってなかったり。様々であります。

そこで今日は、これ迄のデータベース音楽論の積み残し、アフター・データベース大胆予想!なんちて。

10年程前から、多くの識者、或いは音楽家が、音楽はインターネット配信の形に移行していくだろうと語っていました。私は何となくそれらを、SF的な未来の様に感じていたけれど、実際にはあれよあれよという間に、意外な線から、つまりコンピュータ・メーカーから本腰が入り、今ではiTunesとはそれらの代名詞。日本よりも遥かに事情が先へ進み、英米ではまったくCDが売れなくなってきている。

この状況を受けて音楽はどう変化するか。何故かもまゆきゅのblogには、この手の話題が頻繁に登場する(何故かって、たにふじのシュミでしょう……ごもっとも)。私は、
「サムネイル程度のサイズでも作品として主張出来る、1分強迄の作品が重要度を増すのではないか」
と推測してみた。某練習スタジオの店主は、
「21世紀は、万人が万人にとって音楽家であるような時代」
という。前者は、その市場で力を発揮し易い作品の傾向についての推測。後者の店主さんは、全体としてプロフェッショナルの為のマーケットはどんどんアマチュア側へ流れる、という推測。

近頃気になるレディオヘッドは、楽曲を無料配信することで、3つの効果を得ることが出来た。
1)楽曲が大量にダウンロードされることは約束されているので、提供する音楽の品質は担保した上で、もっと高音質の媒体つまり、CDへ誘導が絶対に可能である。
2)環境問題に配慮した発言と最も矛盾しない音楽配信システムを採用し、ポリシーを貫く。
最終的にCDを売ったとしても、その為の宣伝も流通も、更にはパッケージも、最大にエコロジカルなものを用意している。
3)音楽を、コンサートの興行という原点に戻す。ネットによって配信してしまうとそれによ
って作品発表のプロセスが完結するわけではなく、最後に待っているのは、コンサートである。

大きく変わってきているのは、コンサート。
マドンナが音楽出版との契約を打ち切り、イベント興行会社ライブ・ネイションと契約。その後この傾向は加速し、続々とビッグネームが流れ込んでいると聞いている。10年前、恐らく物流が今日よりも悪かったであろう当時は、巨大なセットを構築し、輸送して行うツアーなどはもうそのこと自体カネがかかり過ぎていた。だから、ツアーに冠がつき、スポンサーの名前がどぉんと、殆どシラける位にそこかしこに踊っていた。そこって、もう少し頑張れないだろうか。つまり物流に強い会社を選び、輸送に配慮したセットを使い、ライティングも映像もコンピュータで制御し、安全にする。機材をデジタル化する。スポンサーを必須としないバジェットが視えて来たら、ツアーだ。そこでは、プリンスの様にそこでしか販売しないCDが売られ、グッズがあり、最後には、DVD化される。しかもそこ迄がパブリシティで、更にショップ向けにCDがちゃんと出る。その頃には中間マージンなんて誰も取れないでしょう。
そう言えば、大槻ケンヂが自分の小説で言ってた、
「お前ら、ロックはライブ動員じゃねー、ロックはな、物販なんだ」
身も蓋もない表現だが、少なくとも、ロックのコアビジネスはライヴになりつつある。その場でのTシャツやグッズ販売。
一寸愚痴めいた話になるけど…。もまゆきゅの楽曲も、数曲は配信で無料で聴けるようになっている。それを聴いて下さって、気に入ってもらえて、応援して下さってる方も、実は沢山いらっしゃいます。メールも頂きます。mixi上で素ン晴らしい評論を頂くことも(ボロカス言われることもですが)あります。その内、例えば2%が購入してくれたら、レディオヘッドのビジネスは成り立つでしょう。もまゆきゅはどうだろう、多分50%でも、充分な活動や維持も出来ない。ふぅ。みんなコンサートに来て下さいね。その都度最高の楽曲を取り揃えて、お待ち申し上げております。愛を。音楽を。なんちて。

問題は、配信をパブリシティのツールとしてしまうと、新人は、どこからどう出てくるのか。MySpaceに上がっている膨大なオリジナル。YouTubeにあがっている膨大なパフォーマンス。そこから、何か育つって、真新しい何かが眼に留まるなんて、一寸絶望的じゃないだろうか。既にこの空間は、検索優位性の奪い合いになっている。検索ヒットさせる為本末転倒のメディア戦略を打ったり、手弁当でカウンタ・アップさせる為に安直なセクシャリズムに走ったり。これでは他の戦場と変わらない。もう手付かずの新しい空間ではない。
ただ、残念ながら、その何処を見回しても、私にはまだもまゆきゅの活路は視えないでいます。まずは、演奏の筋肉をつけながら、考える。この、年柄年中作曲のことを考えながら、結局年に7曲くらいしか出来ない筋肉に、こなせるのだろうか。
マドンナ、U2、ピーター・ガブリエル、ローリング・ストーンズ、ユーミンのシャングリラect…。そしてあの素晴らしい、シルク・ド・ソレイユ。
そこに、レディオヘッドがいるんです。トム・ヨークは、近いけどもしかすると一寸違うことを考えているかも知れない。

ぼくは怯えながら、考える。
Commented by テリー at 2009-03-22 03:13 x
「21世紀は、万人が万人にとって音楽家であるような時代」…
確かにPCがあれば個人で何でも出来てしまう時代ですが、
でもやっぱ感性が無いと厳しいかな?^^
でも…イベント会社がすべて賄ったらどうなるか?
マドンナのレコード会社との契約打ち切りとイベント会社への移籍。
これは前にラジオで聞いて驚いたけど合理的に仕事がこなせそうです。
今はPC動画等が気軽に見えてしまうし音楽もPCで聴いてそれで満足してしまいます。
昔は音質を気にかけながら聴いていたんですが…
Commented by momayucue at 2009-03-22 13:49
たにぴ@ログイン中です。
テリーさま、こめんとありがと!
ぼくは、「万人が万人にとって音楽家」というのは、誰でもプロと同等、という意味でなく、
飛び抜けた才能だけがそこから頭角を表すけど、それはそれとして、
へたっぴでも、上達を皆が互いに楽しみ合う、という民主的且つモラトリアム、が必要だと想うんです。
その構造をどう支えていうくか。これは、なかなか難しい問題です。
http://momayucue.exblog.jp/5441170

それから、PCの再生は音質が悪いなんて、んなことないっす。
ちゃっちいスピーカーを繋いでた頃とも条件が違うし、
第一、ストリーミングのエラー処理でロスされる音のことを考えたら、
単純に、キャッシュされてから出る音の方がいいに決まってる。

まあ、それは長くなるのでいずれ…(^^;
Commented by テリー at 2009-03-26 01:36 x
近隣の友人とていうか…マイミクとですが音楽やってます。
PCが発達してるのに僕らはかなりアナログ的な作業してます。
その辺は拘りたいなと思っていますが~
やっぱいくらテクノロジーが進んでも血と汗の結晶が聴衆に伝わるんじゃないかな?^^とオッサンは思っちゃいます!
オッサンと言えば…
先日ラジオに出たとき「オッサン音楽ユニット!!」と紹介されてしまった^^;
オッサンという分野で差別化を図ろうとは思ってなかったけど
それもそれでよしかな?
Commented by momayucue at 2009-03-27 00:24
テリーさま。毎度ありがと!
血と汗…、スポコンですね。
音楽も文字通り心血を注いで作るもの、でもあります。
ただ、全員がWBCの試合するわけじゃないし、草野球も楽しい。
その際の、場が必要になるんです。
みんながその草野球を楽しむ為に、焼きそばやぶっかきで冷やしたビールを出したり、
程よくサークルを盛り上げてくれるハコですな。
by momayucue | 2008-05-20 00:05 | 小理屈「いやカタいのなんの」 | Comments(4)

モンキーマインド・ユー・キューブ・バンドのミュージックライフ。 こんな時代も音楽でしょう!


by momayucue
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