小理屈「いやカタいのなんの」

ピアノ

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ピアノの正確な名称は、ピアノフォルテ。ピアノから、フォルテまで出るから。
しかしこれは、他の楽器に対する差別ではないかっ!だってさ、どんな楽器だって、どんな奏者だって、自分なりのピアノとフォルテを持っているから。ピアノだけが、ピアノとフォルテの言葉を独占するなんて、一寸残念です。殆どアコギしか弾かない、音のちっちゃいたにふじとしては。

あほな言いがかりは兎も角として(自分で自分を放置プレイ)。

ピアノを誉められた…、たにふじのピアノはいい、と言われたことがあります。念の為、絶対に誤解です。因みに言ってくれたのは、私が20歳の時の、ピアノの先生です。繰り返しますが、この先生は誤解しています。因みに言われた時は、ピアノを習い始めてから1年め、最初から教わってたその先生にです。しつこい様ですが、完全に、その先生は勘違いしています。TOTOの"99"とかやらされましたが、
テトトテトトテトトテトトテトトーン
が、
テットトテットトテットトテットトテットトーン
にもたついてしまう。謙遜ではなく、20歳から初めてピアノを習い、それまで多少の楽理とかジャズ理論とか知っていてもちゃんとピアノ弾いたことなんて無いんですから。もしそれでも誰かに謙遜と取られるのもなんなので、ピアノ、ではなく、キーボード全般、としましょうか。当時はほんまに弾かれへんかったんですよ。それがいきなりディビッド・ペイチです。弾ける筈はありません。もたもたです。でもそのもたもたは、どうやらその先生には心地良かったらしく、何とその先生の始めたケイトブッシュのコピーバンドで、ピアノを弾くことになりました。先生は何を…?どうやらずっとギターを弾きたかったらしく、ごがーんとディストーションをかましてました。先生のギターも、ベースの人も、ヴォーカルも、シンセも、非常にハイグレードな、スーパーバンド。ケイトブッシュをコピーしてるという点で、相当凄そうでしょ。しかしピアノは、ついていくのがやっとでした。
ドラムのメンバーが固定せず、時には私が叩くことも。これは誰も褒めちゃくれなかった。いないから仕方が無い。

ピアノがうまい、という一言も、その内側には様々なうまいが存在する。ディビッド・フォスターの様に強力にタッチが均一。スティービーの様に全てを引き寄せてしまうノリ。上原ひろみさんの、めっちゃ動くパワフルな運指。ブラッド・メルドーの、左右の役割を縦横に横断する(縦横で、横断?)手捌き。それから(いよいよ)、その例外です。

例外って、何だろう。
ソングライターズ・シンギングって言うでしょう。言わない?オレの造語だった?でも、気持ちは判って貰えると信じて進みます。たとえアレサ・フランクリンみたいに歌えなくても、自分の作品を自分で演奏することによる、明確に指摘し難い、しかも替えの効かない、味わい。自作じゃなかったとしても、自分に引き寄せたり、距離を置いたり、狙ったり外したりしながらかもし出す味わい。その人にしか備わっていない何かについて、いいね、と多くの人が言ってしまう演奏。例えばトム・ウェイツのピアノ、いいでしょう。

音楽には、「自分でやる」「自分の領域でやる」という、曰く言い難い奏法があります。
作曲家が自分のヒット曲を、セルフ・カヴァーする。これはとても好きなことが多い。また、ニック・デカロのイタリアン・グラフィティの様に、他人の曲でも自分の世界観に取り込んでしまうやり方も、アリ。

自作でも、自作じゃなくても応用され得る、うまさがあった場合、それを、
「味がある」
と表現したりします。
私のピアノには、味があったのかねぇ。うまいとかいいピアノだとか言われると隠れたくなりますが、味がある、なら少しは受け入れられます。

80年代、近田晴夫さんがピアノという楽器について、
「冷たい楽器だよね。猫が歩いても同じ音がするし…」
と語っていました。異論反論ごもっとも。しかし、ギターはほっといてもその人らしさが滲んでしまう野蛮な楽器であるのに対して、ピアノは多少そこが違うのは確かなのではないでしょうか。平均律を強いられ、ピアノとフォルテをその名前に背負い、リズムのメロディとハーモニーを同時に埋め尽くすこの楽器は、音楽的で、そのコストにも関わらず永遠に電子楽器にはその座を奪われない、音楽のスタンダードであると予想します。私はピアノが大好き。

でも、平均律で、その配列で、民族音楽を駆逐する方向には、人知で、行かない様にしたいな。植民地主義で新しい素晴らしい音楽が産まれても、決して他の文化を否定しない人類であって欲しいな。
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Commented by とど at 2008-11-25 19:33 x
記事からちょっと逸れますが…、面白そうな企画を見つけましたよ!
(URL欄に流し込んでおきました。)
選曲基準が応募数の多い順じゃないってとこが良くないですか?
徳永英明の『Vocalist 3』じゃないけど、色々考えてみたら楽しそう♪
Commented by まつきり at 2008-11-25 22:49 x
ピアノフォルテはたしか、
それまでの鍵盤楽器(チェレステでしたっけ?)が、弦をひっかくことで発音するためにダイナミクスがまったくつかなかったところへ登場したことにより、「画期的なダイナミクスを持つ鍵盤楽器!!」てことで名が付いたのではなかったかと記憶してますが、うろ覚えです。

「うまい」をどう捉えるか、ってことですよね。

「うまい」=高い技術的スキル、と考えるならば、「いい」演奏とは別の評価軸になるんじゃないかなー、ってのが僕の考えなんですけど。どうでしょね。
Commented by ねふぇる at 2008-11-25 23:34 x
むかし先輩がおっしゃってたことを突然に思い出しました。
「ピアノって○○(忘れた)よね」
「なぜですか?」
「だってギターだったら絶対弾き間違いがあるもの。こういう風に。(と自ら弾き間違いを披露、左手が弦を押さえ切れなくて弾き外した感じ?)」
 
○○の中は「間違いのない楽器だよね」だったかなぁ・・・
もう20年以上前のお話です。
うん、ヒトの頭の中にはいろいろなものが詰まってて、ある日突然思い出したりするものだ(*^^*)
 
それはそうと・・・
ピアノってそうですか、ありがとうございます^^
ピアノを弾いてきた身としては自分が褒められた気になってます。
よく弾いてた頃は「いかに自分のピアノを弾くか」しかなかったような気がします。
だって譜面は読めない、テクニックはない、だもの。
たとえつまづいたとしてもそれは失敗じゃなくて自分のピアノなのよって言い切っちゃったりして。
 
ところで、トップのヤノアキコさんのジャケットは、ピアノが棺のようであるなんてことを想像させました。
マグリットの絵と関係ありそうです。
Commented by たにぴ@ねむねむ at 2008-11-27 00:03 x
とどさま。
えーこれはいっくらでも考えちゃいそうです!
ま、おふざけは却下でしょうが(^^;;
Commented by たにぴ@気絶 at 2008-11-27 00:17 x
まつきりさま。
多分、チェンバロでわないかと(^^;;;
チェレステは、鉄琴のちっちゃいのだったかと。
チェンバロと言えばキャンディキャンディ、です。
「うまい」と「いい」について。まったく同感です。
ぼくは「いい」に甘い傾向があって、
「うまい」をなめてるかも。こんなことも最近発見してるていたらくです。
Commented by たにぴは眠いのだ at 2008-11-27 00:38 x
ねふぇるさま。
マグリットって、知らなかった(美術系のゆーこ姉さんは多分知ってる)。
ぐぐってみて、これはかっこいいじゃん!と想いました。
ピアノね。セロニアス・モンクは、ドとド♯を同時に弾く事によって、
その中間の音を出そうとした、らしいです。
そんなこと出来たら、ドとド(オクターブ)を弾いたら、
ファの♯が鳴っちゃう。
でもぼくは、このモンクの発想、大好き。
映画で映画を越えようとしたりするのと同じだと想います。
by momayucue | 2008-11-25 15:38 | 小理屈「いやカタいのなんの」 | Comments(6)

モンキーマインド・ユー・キューブ・バンドのミュージックライフ。 こんな時代も音楽でしょう!


by momayucue
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