08'11/4、90年代の日本における音楽産業を牽引していた小室哲哉さんが、逮捕された、との報道が踊りました。
事件が顕在化する以前から何となく伝っていたことから、私が勝手に経緯を推理すると、
・小室さんが、音楽家としての新規売上げを立てることが出来なくなってきた。
・彼の著作物を投資材料として捉えたトレーダーが、かつての大ヒット曲の著作権を売却しないか、と持ちかけた。
・自分でオフィシャルな管理をしていたわけではない小室さんは、まず、首を縦に振った。で、クセになる。
かくして一時金が支払われる。報道では5億円。
・譲渡に際して、結果的に遅延が発生した。遅延が発生した段階で、購入者は小室さんサイドに揺さぶりをかける。
・破綻。
と、こんな感じではないかと。
果たして誰が被害者で誰が加害者なのか、私は、判る気がしますが、語る権利も能力も無いです。
恐ろしい、と感じたことは、寧ろ別にあります。
あれ程迄に隆盛を極めた彼の音楽。何故隆盛を極めたか、当然ユーザーがいたからです。この日本だけの需要なのに(当時、多少アジアはあったのかしら)、全世界の音楽産業の十数%を動かしていたのは、実に多くの日本人が、買ったからです。私も調べたら、GEISHA GIRLSの中に彼の作曲クレジットを発見出来ます。主要作品はうちには無いようですが、たまにカラオケに行くと、"My Revolution"を歌ったりはします。しかし今回のニュースに対して、ユーザーの冷ややかで侮蔑的なことときたら、まるで始めから彼の音楽にはワイドショー的なニュアンスしか無かったかのよう。
「笑ったぜ」と語る人も、
「哀れだね」とmixiニュースに書く人も、驚異的な数に上ります。
数しか見えないんです。
ところで、私はここで「小室哲哉さん事件」の擁護とか、批判とか、するつもりはありません。音楽の話です。しょせん私は、音楽の話がしたいだけなんです。
彼は、レコーディング・マガジンのインタビューで、TMネットワークの変質や、その後の自己演出が、音楽出版のセオリーに対する反発から端を発した戦略だった、と語っています。
このインタビューの時点で、もう既にTKはヒットメーカーではなくなっていましたから、敢えて植物的な態度も取らず、某テクノの先駆者を酷いコピーにした言動もせず、当人が容易に透けて見える、ごく普通のインタビューが成立しています。
私が気になったのは、この戦略を立てる自覚的動機と、自覚のない(と想われる)音楽の不在です。
「市場セオリーに反発して」「自ら、売る戦略を立てた」
はて、音楽家として譲れないものは…?
ところで、この騒動の中、小室作品は放送を自粛した。何故?そんなことをしたら、版権を買った人に印税が落ちないじゃないか。
怪しくない?邪推してしまう。
皆があれ程聴きたがった筈の音楽。時代が変わった…いや私は違うと想います。では何だったのか、ぼくは皆目解らない。もっと解らないのは、あの狂騒の時代、小室さんは「自分自身の好きになれる音楽を」していたのかどうか。ひょっとして、需要の為の供給をしていただけなら、彼は自分でない何処かの誰かにあわせてただけなら、音楽は何処に?
私の敬愛する音楽家達には、犯罪者は珍しくありません(^_^;)。しかし、フィル・スペクターの音楽が、彼が何をしたかによって変わってしまう…ことはありませんでした。一方、小室さんの音楽を、あの膨大なユーザー達は、語り継いでゆくのでしょうか。
しかしフィル・スペクターの様にはなかなかいかないのかも知れません。程度の差こそあれ、流行歌は…、その儚さは、「良さ」でもある。
歌は世につれ。
永く語り継がれてゆくには、経済に瞬間的インパクトの少ないものにも、チャンスありでしょう。
ちんけな詐欺事件に大阪地検特捜部が出張ってくるから何事かと、しかし、本丸まで辿れなかった様です。
ttp://antikimchi.seesaa.net/article/109114695.html
多分まだ250人位しかいないかも知れませんが(^_^;)
小室さん事件ね、
怪しさたっぷりだけど、それよりぼくは、
みんな音楽を無かったものにしてるのが、
どうも怖いんです。
仕方がないけど。
なんでしょうね、楽曲の権利者はそう考えている。
落ち着くのが75日後なのか5年後か10年後か分りませんけどね。
ブロードキャストされる事により生み出されると考えられていたパワーは、90年代より現在は、確実に落ちています、右肩下がり確実。もっと効果的な別な方法は次のパワー元は何か?みんなが探しています。
なので、既存のチャンネルで無かったものと見えても、私は悲観していません。
著作権は巨大な既得権益ですよ。捨てるわけ無いじゃないですか。有効活用するのがビジネスです。
あ、逆に捨ててもらったほうが面白そうですね。なにせ800余曲もの小室サウンドが自由自在に遊び放題やり放題。(小室哲也氏に帰属する権利も彼自身が同時に放棄しなければ「自由自在」にはなりませんが)
> 今このタイミングで小室哲也氏の楽曲をブロードキャストするメリットが無い、
> かえって楽曲の価値低下に繋がる、なので騒動が落ち着くまで大人しくしている。
> 大人しくしててくれ
について、丁度逆のことを考えてたんです。
本来なら今は印税をどっと稼ぐ最大且つ最後のチャンスだろう、と。
でも業界がそうしてない。つまり、
今の権利者へ儲けを許さん!ってことではないかと。対抗勢力ではないかと。
一方向だけでコントロールしてない、と。
マッキーの時の自粛もそうですが、
「誰かが、個人的な理由により、聴きたい人が聴けない様にしてしまうのは、おかしい」
ですよね。
そのユーザーが当時の自身の感動をあざ笑ってる気がして、切ないんです。
小室さんも自分の当時の作品を愛しているだろうか、と。
ただそれをぼくなんかがばっさり書き捨てるのは、一寸傲慢な気もしてます。
> 著作権は巨大な既得権益
については、
http://momayucue.exblog.jp/8131058/
http://momayucue.exblog.jp/8131014/
http://momayucue.exblog.jp/8130997/
http://momayucue.exblog.jp/8130972/
http://momayucue.exblog.jp/8130951/
なあんて調子に乗ったロンブンがしたためられております。
>今の権利者へ儲けを許さん
は無いですね。放送局は著作権料を一括で払ってますので誰の曲をかけようが関係ありません。曲をかけるなとお願いされている側です。globeかけたらavexはCM引っ込めるぞと。
当の小室氏がとんちんかんな発言をしててスキャンダラスな報道はしばらく続くと思います。裁判結審、実刑が出たら刑期終わってからが、小室氏の再出発だと思いますよ。今安売りしたら二度と売れなくなると思うのですが。
avexとsonyはデータ配信と新譜の発売中止を決定しましたが、市場流通在庫の回収は行ったのでしょうか?amazonには在庫が無いようですがマーケットプレイスには新品がありますね。聴きたい人すべての道を塞いでるわけではない。avexじゃない物は残っています。
権利者は今の若者達に対して、汚れの付いたイメージで楽曲を携帯電話なぞで消費して欲しくないと考えているのかもしれません。そんなに聴きたいならCD買ってみなよと考えているのかも。マッキーの時は駆け込み需要がありました。でもそれほど売れないかもな。
過去のセールスに比べて今のファンがどれくらいの規模なのかは考えてもしょうがない気がします。
おっと、忘れてた
ライブお疲れ様でした。
印税、と私が書いたのが間違いでした。楽曲使用料。JASRACが管理してる(と言われてる)
あれです。
オンエア自粛だと、権利者は印税入らない。
売る売らないでなく、多少なりともあてにしてたものが入らない。の意味でした。すみま
せん。
マッキーの件は想う所はあるんだけど、ホントにここでは書けません。
今の小室ファンの規模…については、本文にある通りで、変わり身の冷たさ。
規模縮小がしょうがないと言われちゃっちゃ、そりゃしょうがないけど。
なあんか、きちんと書けない深読みの世界だったな。すみません。
JASRACと音楽出版社(レコード会社)の二つのブラックボックスがあります。
JASRACはCD売上数カラオケ利用曲数放送局がかけた曲を「調査」した上で分配して音楽出版社にお金を渡します。調査は実数把握は難しいとの事でサンプル調査とどんぶり勘定です。本当の楽曲利用実数から公平に分配されているかは保障も検証もされていませんし、その恣意性が問題視されていますね。つまりJASRACと音楽出版社の政治的経済的力学で分配されていると言い直しても良いかもしれません。通信カラオケが世に出た時、カラオケ業者側は決まっていない利用料をプールし、利用曲実数のデータを元に利用料を払おうとしてJASRACとケンカになりました。結局昔ながらの利用料の協定が結ばれ、分配のためのデータはサンプル調査です。実数が出たらJASRACは困るんですよ。
データが無いので単なる想像なのですが、放送を自粛させてもavexは小室氏以外の楽曲がある限り放送局経由のお金って減らないと思うのですよ。JASRACがちゃんと仕事して、オンエア数が減ったからavexは今年の額は少ないよ、なんて事が本当にあるのだろうか。小室楽曲は減ったけど他が頑張ってるからとんとんとか、いくらでも操作できそうです。JASRACからやってくるお金にはラベルは付いているのでしょうか?音楽出版業界の会計に首を突っ込んだことが無いので判りませんが。実際のオンエアを減らしても収入が変わらないとしたら?
>今の小室ファンの規模…については、本文にある通りで、変わり身の冷たさ。
90年代のミリオンフィーバーは一体なんだったのか?あの頃流行に乗ってCDをいっぱい買っていた人達は現在CDの代わりに何買ってるんでしょうね。って私か。私は小室界隈は買ってませんでしたけど…もともと移ろいやすい人達が上乗せされた数字なんですから、考えてもしょうがないと書きました。
取り敢えず、JASRUCの内幕云々は広げ過ぎなんでスルーして(^^;
> 今回の事件は「普通に考える」と頭が……
全く同感ですが、やっぱりここにはぼくは書けない。
兎に角、うさぎにつの、額面通りの事件じゃない。
で、音楽なんです。
> あの頃流行に乗ってCDを……考えてもしょうがないと書きました。
ほんとに、なす術が無いですよね。
もし術があるとしたら、…永く語り継がれる音楽を作る。そう信じるしかないです。
ぼく自身は、そうそう音楽の傾向が変わらないもの。
ぼくはフィル・スペクターも城田じゅんじも、マイケル・ジャクソンもやっぱり音楽は大好き。
ゆーこふぁんさま、いつか、ライヴでお逢いしましょう。
もしやもう来て頂いてますか?