つれづれ

Native Sense/チック・コリア & ゲイリー・バートン

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スウィングに開眼した、たにぴ@もまゆきゅです。

でも、スウィングって物理的には何だろう。
何が、スウィングしたりしなかったりするのか。
それはグルーヴのひとつなのか。
Chick Corea と Gary Burton のデュオは、
ジャズファンの間ではもう話題にもならないくらい有名で、
それは言わば、白人のジャズの到達点であり、
ECMレーベルの代表作であり、
ジャズのバンドにおける基本フォーマットを超えて、
ドラムとウッドベースが無くても、
スウィングし得る、ジャズたり得るという証明であり、
まあ、ジャズの財産であるわけです。

当人達もその手応えは余程だったらしく、
もともとチックもゲイリーもデュオというスタイルには意欲的で、
それ迄もその後も多くのデュオ作品を作っています。
だいたいこの2名でのレコーディングだけでも、
パーマネントなバンドじゃないのに、かなり多いです。
当初は、ECMの勢いも北欧の気候と音像とのマッチングも、
全ての要素がプラスに向いてた。
しかし、いつまでもその斬新さを続けるのは、プレイヤーにもリスナーにも困難で
す。
またかよ…と想う鈍感なリスナーも当然いますし、
当の本人もやっつけ仕事にならないとも限らないです。
無責任に言ってしまえば、このデュオのチューリッヒでのライヴは、
本当に比較にならないくらい凄かった。
まるでこのコンサート全体が、ひとつの巨大で美しいエコーのようです。
どこにもなかったそのエコーを一度知ってしまうと、
その後同種のものを聴いても、驚きは後退せざるを得ない。

ただ、それでもその驚きの先に、音楽はあるんだと想うんです。
生まれて初めて海を見た。星空を見た。虹を見た。
或いは、様々な美しいものを見たとしても、なかなか遭遇出来ない、オーロラを見た。
それはもうどうしようもなく一生の宝物になる。
しかし、このエコーのようなデュオの中身は、ジャズなんです。
スウィングし、ブルーズし、アドリブし、インタープレイする。
はっきり言って、雰囲気だけ捉えることだって出来そうな音楽だけれど、
この2人は、音楽をしている。

どちらも非常に多作だけれど、そしてその中には、
ひょっとすると、やっつけた仕事もあるかも知れないけれど。
"native sense"は、その驚きのエコー体験からじつに久しぶりのデュオ。
当時から、もう期待が凄かったのをはっきり憶えてます。
「チック・コリアが、ゲイリー・バートンとまたやるらしいよ」

もうそれは、エコーでもオーロラでもなかったけれど、
ひとつひとつの語らいは何ら変わらず、精緻で繊細でガッツが入ってるんです。
ブルーズマンは、シャンソン歌手は、小唄端唄の歌い手は、
皆、今日も明日も同じ演奏を、少しずつ飽きないように工夫しながら、
ずっと繰り返している。
それはオーロラみたいな驚きはなくてもいいのだ。
この2人の才人の信念を感じます。
たいしたもんだと想います。
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by momayucue | 2014-08-03 15:25 | つれづれ | Comments(0)

モンキーマインド・ユー・キューブ・バンドのミュージックライフ。 こんな時代も音楽でしょう!


by momayucue
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