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つれづれ

Alone Together/ジム・ホール ロン・カーター

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デュオものがかなり好きな、たにぴ@もまゆきゅです。

っていうかよく考えると、
ソロ・ピアノとか、変わったベースとか、
所謂4ピース+αのバンドより、
一寸違うのが好きなこと方が多いかな。

JIM HALL という人は、
その路線でのイノベーターの1人。
ビル・エヴァンスとのデュオ。
真夏の夜のジャズ冒頭の2管とのスーパースゥイング。
記憶に新しいPat Methenyとのデュオ。
他にも、Bill Frisellや、一寸びっくりしたんだけどジェフ・キーザーとも作っている。
まるで渡邊香津美ではないか。
享年84歳のギター小僧だったんだねえ。

RON CARTERとのデュオはつとに有名。
本当に隙が無く巧いというのは、こういうのを言うんだよねえ。
語り尽くされてるけど、書いちゃう。
ギターは、シングルトーンでの動くバッキング、ブロックコードの迸り、
オクターブ、等々のアイデアが宝箱をひっくり返した状態。
ベース。広大なスペースでも怯まない、確信に溢れたタイム感。
立ち上がりピークを外さない音のカーブ。
なんかずるしてるんじゃ…と想う程のピッチ。

それにしても、せめぎ合いとかが無くて、
知的で、柔和で、音楽的で、素晴らしいとしか言いようがない。

さてさて、Alone Together とな。
共に、孤独になろう。これはスタンダード曲のタイトルです。
このアルバムでは2曲め。
小さな迷路の中で、共に孤独、どころか
それぞれが出逢えないというジャケットデザイン。
基本的に私達ミュージシャンは、
ずっとお互いを見ながら演奏はしない。
正面のお客さんだったり、楽器だったりと様々だが、
丁々発止であっても、バトルロイヤルであっても、
ゆったりとした会話であっても、
演劇のように閉じた世界で表現はしないんだ。
それは、逆説めくけれど、
眼を閉じても演奏は出来るからかも知れない。
迷路。壁を超えて異次元から届く音の鳴る方を追いかけても、
出逢えないかも知れない。
それどころか迷路の中では、近付いていこうとしても、
離れたところに誘導されてしまう。
音楽だけが、越境している。

ぼくには経験があるので、よくわかるのだけど、
「音楽も聴きたくない」というどん底の瞬間最大風速があります。
異様に明るいところに連れて行く力が、音楽にはあるから、
今音楽に触れると、行きたくないところまで行ってしまうので、避けたい。
身内の死や、病への直面。震災もそうだった。
それでも、歯を食いしばって違う場所に行かないといけなくなる。
だからそうなった時、ぼくは音楽を聴いたり選んだり作ったりすることがある。
ライヴを「する」ことで救われたことも。

いや、それは単にぼくの経験の話で、
ジム・ホールとロン・カーターがこの時にトラブルを抱えてて、
しかしそれを音楽の語法で語らうことで昇華出来たとか、
そんなのじゃないけど。
ただ何となく、タイトル曲と、ジャケットの絵で、そんなことを想ったんです。
by momayucue | 2014-09-24 21:31 | つれづれ | Comments(0)

モンキーマインド・ユー・キューブ・バンドのミュージックライフ。 こんな時代も音楽でしょう!


by momayucue
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