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つれづれ

「母と暮らせば」サウンドトラック/坂本龍一

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やはり意外だし、ということは斬新だと想う、たにぴ@もまゆきゅです。

何のことかというと、教授の映画音楽です。
80年代、誰が彼と山田洋次監督との仕事を予想しただろう。
うぉーたーVおいるだと想ってたわけじゃないですか。
ぼくも。そして、あなたも。あなたもあなたも。
国民的お正月映画だった「男はつらいよ」が代表作ではありますが、
その前後を見渡しても、日本的人情喜劇と言えば山田洋次。
その手の、日本的抒情はキライというのが、YMOの、YMO時代の、スタンス。
「幸せの黄色いハンカチ」とかは、ぼくは好きだったけど、
実はいまだに、寅さんは1本も観たことがないです。
個人的には、いやー寅さんはいいよねぇとか言ってみたい気がするんだけど、
実際観てないものはしょうがない。
教授も或る日飛行機の中で観て、号泣してしまったのがきっかけらしい。
山田洋次さんと、山田太一、倉本聡、久世光彦といった人達は、
それぞれテイストを持っているけれど、共通の印象を持つ人は少なくないでしょう。
ぼくも。そして、あなたあなたあなた…。

「北の国から」の倉本さんは、作品にいつも重要なテーマソングを見つける。
いつもニューミュージック寄りのものが多かった気がします。
果たして山田洋次といえば、
「おーれーがいたぁんじゃ~お嫁にゃゆっけえぬぅ」
なので、教授はどうするんだろう。一寸どきどきでしたよ。
ただ、この数年は作風が変わって、人情は兎も角、喜劇要素よりももっと、
研ぎ澄ました、幾分危険な映画になってました。「ちいさいおうち」的な。

結果的には、教授は、まったくがっつりと教授の音楽を提供し、
それで山田洋次映画をドライヴした。
ハーモニーにしろ電子音にしろ、これ迄の山田洋次風なものに日和ったところはなく、
ハリウッド映画や、超大作に取り組んでた時と、おんなじなの。

だから、教授サントラとして「母と暮らせば」を聴くと、
意外性はそれ程ない。
しかし、寅さん眼線では、驚異的に斬新なイメージになります。
吉永小百合さんの主演で、長崎の原爆がモチーフとなると、
しんみりした人情劇風の音楽もあり得たのに、
そういう意味では、監督はかなり冒険をしたと想うな。

で、本筋。
サントラ作家としてはやはり他の誰とも違う。
モリコーネが近いと言えば一番近いのかも知れないけれど、
ハンス・ジマーも、ダニー・エルフマンも、一般的にサントラ作家の音楽は、
そんなにハーモニーが緻密じゃない。
やっぱりドラマチックなことが優先される。
しかし教授は、「スネーク・アイズ」みたいな娯楽映画をやっても、
一寸浮くくらいにタイム感が全く違ってて、やはり個性的なんだなと想う。
今のところ、教授のサントラ仕事でぼくが一番好きなのは、
相変わらず、"Love is the devel"のままだし、
どれかひとつとなったらやっぱり当分変わらない。
でも、音の響きがいつもどのアルバムも、他ではなかなか味わえない鋭さがある。

アレハンドロ・イニャリトゥ監督の最新作は、教授が音楽をやっていて、
輸入盤では入手出来るけれど、
どうしようかな、国内盤にも関心がある。たまにはちゃんと比較したい気がする。何しろ歌曲の凄さ、カヴァーしたいくらい。


by momayucue | 2016-01-10 23:35 | つれづれ | Comments(0)

モンキーマインド・ユー・キューブ・バンドのミュージックライフ。 こんな時代も音楽でしょう!


by momayucue
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