はいはい、時代遅れのたにぴ@もまゆきゅ。です。
名前に、「。」をつけてみました。それも古いか。
Richard Spavenの衝撃は、以前にも書いた通りです。
音楽の最先端は、テクノロジーを通過した人力だった。
それをきっと繰り返してくんでしょうね、次にまたテクノロジーが来て。
いやしかし、フューチャー・ジャズは凄いな。
もうもまゆきゅも、フューチャー・ジャズのバンドってことにしちゃおうかな。
先日書いたアルバムは実はリーダー作としては2ndで、
この「*」がついた「全然違う」という奇妙なタイトルの、こちらが1st。
バンマスゆーこさんは、1stはあんまりグッと来なかったみたいで、
2ndにひたすら驚いてた。
ぼくはどちらも凄いと想ったですよ。それでも2ndの、
「げ、1stを超えてきたよ」
というシズルには圧倒される。
超えたからと言って1stは要らないかというと、そんなことはないわけで、
だからぼくは、どちらにもグッと来てます。
多分この後の彼のアルバムにも、グッと来てしまうでしょう。
にしてもさ、このタイトルはいったい何が言いたかったんでしょうね。
日本語にして、「全然違う」とか字面で見ると、
「これ迄何処にもなかった、未体験ゾーン」
みたいなイケてる解釈もしちゃいそうだけど、それこそニュアンスが違う。
「ずれまくってる」
とかが適当なんじゃないだろうか。うがった訳だが。
でしかも、「*」がついてるってことは、…えーとえーと…。
「あらゆるハズレモノ」
でどうでしょう。
実際、凄いんだけどいささか暗い音楽だし。
最近のドラマーは、タイム感が、所謂ノリというかグルーブと違う。
全体でうねらせる作り方じゃなくて、
パーツ毎に、さながらサンプリングを人力でやってるみたい。
意味があるのか…?って想う人、きっといるでしょ。
でもこれは凄いですよ。
巧いとかだけじゃなくて、フレッシュなんです。ループに聴こえそうだけど、ループじゃない。
どうしてこれが新しいと感じるのか、自分でもよく説明出来ないです。
ただ、ループって、文字通りループしてるからノリが出来るわけじゃないですか。
リズムを微分して、抜くところを抜いて、それで、回すと。
ところが、回さないで、歌として、旋律としてドラムを捉え直し、
コードと対等以上に楽曲を推進してこうとしてる。
この実験で産まれるものが何だったかというと、聴く行為の中に、リズムの回転が生じる。
聴く行動と演奏する行動が一体化する。それも、知的に。
ぼくはいつも、かなり慎重に「グルーブ」という言葉を避けてるんです。
それは単に、曖昧且つ肯定的なカッコよさを、
自分でもわかってないくせにしたり顔で言うのは恥ずかしいからなんですね。
でも、ここから先、グルーブを連発します。覚悟を決めた。
ジェームス・ブラウンが、ある音楽スタイルを発明した。
…違うのかな、民族音楽にはそのスタイルがとっくにあったのかも知れない。
とは言え、要するにポップ・ミュージックには曲の構成というのがまずあって、
Aが来てA'があってBが…というのではなく、
もっとトランス効果のあるものを発明した。
2小節を、繰り返してるだけ。ファンク。
ソウルの先にあるもの。
グルーブが、ハッシシに迫り、同化した瞬間。
更に、ジョージ・クリントンが、マネーというドラッグを取り入れた。
依存性のあるものが揃う訳です。ベトナム戦争、麻薬、カネ、
そして、思考を麻痺させるグルーブのリフレイン。
脱知性的なものは、感性とも違った。
グルーブは科学だった。脱知性は、科学的に施行された。
ぼくは、ダンス・ミュージックと向き合ったことが、多分ないです。
さらっと解釈してみただけ。
音楽に合わせて動いたり踊ったりはするけど、本質的には、楽曲主義。
曲の動きが好きで、2小節を繰り返すタイプの音楽は、憧憬の対象ではあってもあまり作らない。
よって、この辺でグルーブという言葉を一旦しまいます。
Richard Spaven が、こんなややこしいことを考えて演奏してるのかどうか、
ぼくには実は全然わかんないし、自信もないし、もしかすると、こんなさ、
「ドラムを歌う楽器として再定義して云々…」
とかほざいてるのはぼくだけかも。まあ、そうだよね。そうですね。
どっちにしても、最新型ドラッグは、音楽に傅くぼくの「脳の中で」生まれたんです。