はいどもっ、元気なたにふじです。
当blogのウォッチャーの皆さまは如何お過ごしでしょうか。
ジャケットからもうお判りでしょう。こいつは、バリバリのダァーーンス・ミュージック!
でもないか。全然違うな。
Greg Phillingenesは、所謂セッション・ミュージシャンで、
若い頃から異常に腕が立った。
かのスティーヴィーのバックバンド、「ワンダー・ラヴ」でキーボードを弾き、
かのドナルド・フェイゲンのアルバムでキーボードを任され、
かのマーカス・ミラー似のルックス。
でさ、多分この"Pulse"は、シンガーとしても売り出そうとしたんだろうと想います。
音楽性のバカ高さからしたら、もう一寸渋いジャケットで渋い音にしとけば良かったのに、
装いはがっつりダンスミュージック仕様。
さて、内容は…。
…、一寸違う。
1曲めはいきなりYMOのカヴァー。それも、テクノポリスとかライディーンじゃなくて、
当時としては渋い選曲。
ただ、有名な話ですがこの"Behind The Mask"はヨーロッパやアメリカで大変な人気曲です。
いきさつは、かのマイケル・ジャクソンがかのスリラーの為にレコーディングしたそう。
或る日、坂本龍一宛てにクインシー・ジョーンズから電話が入った。
「あの曲をマイケルの新アルバムに入れたいが、9:1でどうだ?」
ま・ぢ・か!
だって、Aメロの歌詞をマイケルが書いただけじゃん!
教授は、断っちゃった…。
しかしこの曲は、まずこうしてセッションミュージシャンのグレッグが自分のソロに採用し、
次にエリック・クラプトンがカヴァーした。
世界中に知られた。
いやそもそもYMOのワールド・ツアーで、この曲だけ他の曲とウケかたが違ったらしい。
マイケルのお戯れは、無根拠じゃなかったのだね。
教授自身にしても理由は長いこと解らなかったし、
聴いてるぼくは、テクノポリスとかライディーンの方が好きだったし、
もっと後期の、テクノデリックの"Light in Darkness"なんかが好きで、
今でも、"Behind the Mask"に特別感は感じないまま。
さておき、Greg Phillingenesという端正なキーボード・プレイヤーは、
ここでは少し派手めな恰好をさせられてますが、
音楽の内容は、出目通り。スティーヴィーだったり、スティーリー・ダンだったり。
ただ確かにこうして聴いてみると、
YMOのときにはそれ程感じなかった「ロック」が宿っている気がする。
ぼく個人に限って言えば、いまだに民族音楽としてのロックが、
ちゃんと聴こえてないのかも。
グレッグの和音の掴み方は、やはりドナルド・フェイゲンの曲には、
天下無敵な冴えです。