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The Prodigal Son/ライ・クーダー

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Ry Cooderが新譜出したのに遅い!と想ってたでしょ、
ごめんね、たにぴ@もまゆきゅです。

既に「放蕩息子」と言う和訳が知れ渡ってますが、
これには聖書が影を落としてる。
そう、アルバム全体が、影であり、しかもゴスペルつまり霊歌なんです。
聖書がアメリカに及ぼしている影響は、良くも悪くも広範囲で強大。

いきなり話が逸れますが、
避妊は悪だという考え方を私は全く受け入れられないです。
しかし、キリスト教の教えは避妊を禁じていると解釈する宗派は、
大変に大きな勢力を持っている。
神は、子供を作ることを人間の目的と定義している、と…、
かどうかは判らないけれど。
同じ理由で、同性愛を自然の摂理に反するからと否定する。
子孫なんてトータルに保たれればいいのに、全人類に押し付けるのなら、
子供がいないぼくはもう存在意義がない。
冗談じゃないです。
どんな生物の世界でも、かなりの比率で同性愛もトランスもいるのに、
それらを神が祝福しないとでも…?
神さまだってエラーを起こすし全ての信心も非信心も報われるとはいかない。
人間だってそうなように、神だってまあ100%じゃない。だから、
運とか、あるんです。
全てに価値を見出そうとしなくてもいい。
価値なんて無くても、あっていいし、いていいし、生きてていい。

Jesus and Woodyという曲が象徴的です。
ジーザスは、勿論イエス。
ウディは、ウディ・ガスリーというフォーク・シンガー。
内容は、神が伝説のフォーク・シンガーに、懺悔をするというもの。
自らの理想が分断によって挫けていく様に傷つき打ちひしがれ、
ウディに、安らぎの音楽を求める。

ぼくのヒーロー、Ry Cooder
彼のインタビューを昔から幾つも読んできたけれど、
その時々で本当に慧眼に驚かされます。

 ロバート・ジョンソンは多分、
 あのスタジオのこの隅にうずくまって弾くのが好きだっただろう、
 低音がブーストされるから…。

 ウォルター・ヒルは(ラスト・スタンディング・マンの音楽で)、
 黒澤風な折衷的音楽を私にやらせたかったんだろうね。

 キューバに渡り現地のミュージシャンと、
 最初全く演奏が出来ず、焦ったよ。

等々。
殆ど関わった音楽を片っ端から圧倒するような、
広範囲でありながらライのサウンドにしてしまうあのトーンを持ってても、
研究を続け、音楽に馴染めず、そして自分を取り戻す…を、
繰り返しながらも変化している。
幾多の傑作映画音楽でも、
「ジョニー・ハンサム」では明らかに違う未来的な音像を見出し、
環境音楽を超克して見せた。
「パリ・テキサス」がニュー・エイジ・ミュージックだなんて、とんでもない。
ライじゃなかったら駄作だった映画もあります。
オリジナル・アルバムでも、
チャベス・ラヴィーン辺りからだろうか、
ある種音響系に繋がる感触が強まっている。
モノローグ迄効果的に用いる音空間。
独特のエコー。
くぐもったサウンド。
場合によっては敢えて狂わせたチューニング。
それでも決して手放さない、「演奏する」という醍醐味。
今回はYouTubeにも沢山の公式動画が出て、
ライの左手の動きが実によくわかる。
滑らかなスライドと、縦横無尽のポジション。

それから、メッセージがどんどん露骨に、強く、リベラルに、
……ペシミスティックに、なっていく。
当たり前だけど、彼には言いたくないことがあるんだ。
差別も、分断も、ファシズムも、不条理な格差も、
Yesとは言えないんだ。

"The Prodigal Son"は、ライ自身と息子さんのヤーキムで、
殆どのトラックを演奏しています。
ドラムなオーディオ編集はヤーキムが、
ライはギターは勿論、ベースやその他弦楽器、キーボードも。
ミニマム。それでもガッツがある音。
コーラス隊は必須。何しろゴスペルだから。霊歌だから。

絶望と希望とが交錯する。
今彼はそういう体験のさなかにいるんだと想います。
















by momayucue | 2018-07-11 20:04 | 未分類 | Comments(0)

モンキーマインド・ユー・キューブ・バンドのミュージックライフ。 こんな時代も音楽でしょう!


by momayucue
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