もーしょんぴくちゃー

アンダー・ザ・スキン スカーレット・ヨハンソンの皮膚の下には

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アンダー・ザ・スキン

スコットランド…の田舎に、
宇宙人が2人降りてきて、そのうちのひとりが若い女性の身体を乗っ取る(スカーレット・ヨハンソン)。
そいつらは宇宙人なのに、地味で、何とか光線みたいなのは出さず、
女の色香だけを武器にして街の若いアホ男を家に誘い込み、
皮だけ残して臓器も脂肪も骨も消化してしまう。
ところが或る日、身体障害者を捕まえて、いつものように消化しようとしたのに、
途中で同情して逃がしてしまうんです。

そこから、その宇宙人の逃亡ともう一人の宇宙人の追跡が始まる。
これが、地味で地味で。
逃亡の様子も、結末も、世の無常というか、宇宙人ったってこんなもんだろうなみたいな。

宇宙人って、いると想いますか?
楠田枝里子さんの唱える「いない説」の根拠は、
「他の惑星から地球に来る化学力がある知的生命体なら、
自分達よりも下等な地球人に興味を持つ訳がない。よって、目撃談は全てうそか見間違い」
というのがありました。
だとしたら、人間は蟻や微生物を観察なんてしないってことになりますよね。

ただ、ぼくが何となく想ってたのは、彼等の地球人への用件は、
観察するか、ありきたりの手持ちの能力で少しずつ捕食するか、その程度だろうなと。
征服なんて大袈裟な。そんな特別な価値がある訳じゃないもんね。

人間が銃を持ってるのは、動物には脅威だ。
だけど、凶暴な動物だったら時には猟銃を持った人間に反逆を企てる。
宇宙人に、人間が襲いかかるかも。
わかんないんですよ。けっこう危険なんですよ。
宇宙人が細々と人間を狩っている世界がもしあったら、
この映画の世界観は、実は物凄く現実的なんじゃないかと。
派手なUFOに乗って飛び回るんじゃなくて、お金ないからバスを乗り継いで逃げたり、
250ccのバイクで追いかけたり。
性行為を理解出来なくて怒ったり。

これ迄のエイリアンものだと屈強な奴等の筈が、実は、
物のはずみでは死んでしまう孤独な捕食者。
何をしに地球に来たかって、生きる為でしょうそれは。

スカーレット・ヨハンソンは他の並み居るヒット作大作では出し惜しんできたのに、
こんな低予算映画で、スッパリと、スッパリ過ぎるフルヌードを披露してる。
でもそれはそれ程美しくデフォルメされてなくて、寧ろ、
ボテッとした、あっけないもの。
それでもこの淡々とした映像には実にふさわしく、いい効果です。
「アタック・ザ・ブロック」がそうだったように、
宇宙から落っこちてくる生物は、侵略とかではなく、
サイコロを振るみたいに、たまたまその街に出るんだ。

そうです、それが、現実ってもんです。
ところでぼくらは、どんな時にいったい侵略をするのだろう。
アレキサンダーは、ナポレオンは、チャーチルは、豊臣秀吉は、
何故他国に侵略する必要があったんだ。
不勉強なのは認めるけれど、それ以前に、ぼくの中には全く他者を侵略する動機がない。
一部のナショナリスト達がよく、
「守らねば、獲られる。先にやらないと、負ける」
と口を揃える。しかし、先に来るヤツは何故来るの?
何しに来るんだ?侵略って何故始まる?やめちまえよそんなもの。
他人は知らないけれど、ぼくにはそんな愛国心なんてないよ。

Undrer The Skin。スカーレット・ヨハンソンの皮膚の下には、
コールタールのような色と艶をしたひ弱なエイリアンがいる。
それはよく言って足軽や屯田兵、もっと具体的には、小野田寛郎氏とか。
つまり、目的はサバイバルと微かな享楽だけで、最早明晰な組織ではない。
そして運が悪ければ殺られる。
少なくとも地球上の生物を見る限り、
脊髄から脳に侵入して相手を乗っ取り、文化圏を根幹からコントロールするヤツはいないし(いるかな…。いるかもな)、
手を十字に組んで熱光線を出したり、
何もない空間から突然出現したり、
…、誰もしないです。
せいぜいが牙と爪と体重。巨大な蜘蛛や巨大な蛸がいたら、糸やら吸盤も。

本当の侵略は、スカヨハの皮を被った無数のエイリアンが地道な生存活動を続け、
時折り綻びが出て公けになって、世論が動いて、
それらを修復する為にコストがかかる、というものだ。
そうして、狂った末端に計画が振り回されるんだ。
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by momayucue | 2018-09-06 04:23 | もーしょんぴくちゃー | Comments(0)

モンキーマインド・ユー・キューブ・バンドのミュージックライフ。 こんな時代も音楽でしょう!


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