つれづれ

New York Rock/オノ・ヨーコ

d0041508_19151182.jpg

凡庸な、たにぴ@もまゆきゅです。

その昔、「ヨーコ・オノの芸術は、世界で10人にしか理解出来ない」なんて説があった。
誰が言ったのかも、本当にそうなのかも、第一言った人は理解出来てたのかも、
全然わからないけど。
ただもし言い出しっぺさんがヨーコの芸術を理解出来てなかったら、
「理解出来る!」と言った人の真偽を判断出来ないわけで、
理論的には言い出しっぺは理解出来ないとおかしい。
しかも更に尾ひれがついて、「その10人にジョンは入ってない」なんてもう、
わけわかんない言い分も出回ってた。
しかし実際には、これってかなーりテキトーな分類だよね。
「わかる」なんてのはほんの一部分だもの、人間。

さてさて、一転してこの作品は、ヨーコが作ったミュージカルの楽曲集。
本人は歌っておらず、そのミュージカルのキャストによる演奏です。
これが、やたらわかり易く、難解な風情など全くない。
わかりやす過ぎて、なんか裏があるんじゃないかと勘繰ってしまう程です。
しかしよく考えてみたら、これまでも彼女の楽曲は特に複雑とか難解なことはなくて、
ヨーコがやるから聴く方が構える…ってだけでしたよ。
レイドバックしたサウンドですらない、拍子抜けしそうなパワーポップ。
ヴォーカル陣も、お芝居っぽく大袈裟に歌うことはしてない。
で、ミュージカルだから独特の構成にもなってます。
つまり、1曲が短くて、AA'Bとかの構成をきちんと取ってなくて、
ここはAメロだけとか、変奏とか。

ぼくは一度だけ、N.Y.でヨーコとニアミスをしたことがあります。
コッポラの映画を観て劇場を後にしたら、そこに、
ヨーコと、すらっとした美少年(当時)のショーンと、マネージャーらしき人が3人で。
最近でこそ彼女の気さくな性格は伝わってきてるけど、
当時はね、やっぱ一寸気難しいのかなって勝手に想ってた。
だけど、全然そんなことなくて、一発でぼくはヨーコさんのファンになりました。ピース!
日本では当時特に彼女は人気無くて、いや寧ろはっきり煙たがられてました。
ジョンと並んだ写真はどれもやけにエキゾチックで、
極端な感じが嫌がられたのかな…。
洋楽的なポップ感性に固執し過ぎたのか、却って純和風でないと認めたくなかったのか。
どちらも、近視眼的視野だと、今のぼくなら想う。

英語喋る人は日本人にも随分増えたのに、
時々に出逢います。
「この訳で、TVで報道しちゃったの?ニュースで??」
と戦慄するくらいに。
ニュースというシチュエーションの中で流される情報には、
もう既に「事実感」のようなものがひっついてて、意図の有無ではなくシリアスになる。
それはドラマの中でも同じです。
撮影或いは収録された映像を編集することによって、
浮いたシンガーのシラけたコンサートシーンでも、
カット割りと効果音で異様な盛り上がりを演出出来るし、
もっと特別なことだって出来る。例えば、
視点と間合いをうまく使って、シンガーの孤独にフォーカスしてみたり、
観客がシンガーのメッセージに次第に反発していく様子を見せたり。
イイ奴をヤな奴にしてしまう。
体験している実時間はそういう風に編集されていないけれど、
受け止める側の先入観は時に真逆な判断をさせてしまう。
スターというか、トリックスターというか、
凡そ世界で一番そのテの曲解をされているのは、オノヨーコだと想います。
あのビートルズを終わらせた。エキゾチックな東洋人。難解なアート。矢面に立たされ、矢で突かれる。

時々、意識高い系演劇みたいに妄想します。
もしヨーコがいなかったら、ビートルズはどんな終わり方をしただろう。
或いは終わってないとか?
ビートルズが続いていたら、どんなバンドになっていただろう。
ビルボード東京に来たりすんのかな。
メンバーチェンジしてたりして。
で、終わってたとしたら、どんな解散劇になるんだろう。
バンド名の継承権で裁判になったりとか。
ビートルズに想い入れが薄いぼくには、その妄想は幾らでも最悪を想定出来る。
そして、その可能性のひとつに、ヨーコが解散に立ち会った現在がある。

あなたがもしも1年に30枚位はCDを買う人なら
(音楽をストリーミングで、は、「聴く」しお金を払うけど、「買う」は違う行為)、
うっかりAmazon辺りで、ニューヨーク・ロックセサミ・ストリートを買ってみて欲しいな。
聴き比べると、難解というのは編集されたヨーコだったんだとすぐに解ります。
逆に滅多にアルバムなんて買わない人が買って聴いたら、
編集されたヨーコのイメージを反芻することになるのかも。それはそれでありだけど。










by momayucue | 2018-11-24 19:15 | つれづれ | Comments(0)

モンキーマインド・ユー・キューブ・バンドのミュージックライフ。 こんな時代も音楽でしょう!


by momayucue
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31