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Gauloise/ムッシュかまやつ(かまやつひろし)

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ゴロワーズどころか煙草を1度も吸ったことがない、たにぴ@もまゆきゅです。

このアルバムは、名曲「ゴロワーズを吸ったことがあるかい?」を冒頭に、
書き下ろしやセッション曲などで構成されたものです。
1994年、元フリッパーズ・ギターのメンバーと、
長年英国で活動していたカメラマンのトシ矢嶋さんとがクレジットされていますが、
どう考えてもこの音、矢嶋さんとかまやつさんの主導。
多分現場では、英語に強いかまやつさんがいつものごとくニコニコしながら、
「みんなのいつものカンジを活かしてさ、かっこよくやってよ!」
てな雰囲気で進んだんだろうな。愉しんでるのが伝わってくる。

まずその名曲から遡りますか。
かまやつさんの最大のヒット曲と言えば、拓郎作の「我が良き友よ」なわけですが、
このシングル、今も出回っているのかな…、もしあったらぼくも欲しい。
と言うのも、あのフォークソング然としたA面の裏に、
たまたま来日中のタワー・オブ・パワーのメンバーがリズムセクションとホーンを(つまり全部か)担当し、
あの信じ難いノリの歌詞を詰め込んで歌った曲がある。
それが、
超名曲にしてやっつけ仕事の「ゴロワーズを吸ったことがあるかい?」です。
深淵にして深淵を覗き返すような深淵の往復ビンタ。なんじゃそりゃ。
資料によると、レコーディングするにも曲の用意がなく、
かまやつさんは想い付きの簡単なコード進行を綴り、
歌詞も明確なメロディーもないままスタジオに入ってもらって、
ただただTOPのノリに任せてインターバルも入れてくうちに、
どうにかこの歌詞を突っ込むことに成功した、もよう。
普通なら、日本ではそうそうお目にかかれないこのファンキーな演奏に圧倒され、
気負ってありったけの音量を絞り出してしまいそうな状況。
しかーし、ムッシュは違う。
「いえ~ぃ、ごきげんだね、じゃあぼくがスノビッシュな感じで歌ってみるよ」
と、ニコニコしてる。極東の苦悩とか、わけわかんない。
B面って、全然話題にならない。でも、時が経つにつれて形勢が変わった。
「我が良き友よ」は拓郎の代表作でさえないけれど、
ゴロワーズは、当時の彼のアルバムの中でも断然かっこよかったし、
その後多くの人に影響を与え、カバーされてきたんです。

さて1994年。渋谷系というものが席捲してたのかどうか、
ぼくはあまり詳しくないんですが、
イギリスで80年代後半からネオアコなるブームがあって、
一方でHipHopがJazzのサンプリングばかりするようになったあとに、
その音像を更に人間が演奏するのがカッコいいというAsid Jazzが興る。
ジェームス・テーラーという洒落にならない名前のオルガン奏者が、
ブランニュー・ヘヴィーズが、
インコグニートが、…。
ノリもコードも音色もサイコーだった。


一寸発想としては軽いけれど、Asid Jazzのオールスターでバンドを結成し、
かまやつさんのゴロワーズで羽目を外す、というコンセプト。
TOPの時ほど殺気立ったトラックにはならなかったけど、
アルバム全体での成果は凄かった。
インストのクールなこと!かまやつさんの「うそうそうそうそぉ~」の愉しそうなこと!
そしてメンバーの、本業の呪縛から解き放たれたバンド・サウンドの身軽なこと!
アシッド・ジャズの連中って、何ていうか一寸お堅いんです、もとが。
おのおのがおのおののバンドでは却って窮屈になってしまうところを、
かまやつさんの笑顔にほだされて…だと想いたい…、一直線に愉しんでる。

この傑作からも、既に25年。
かまやつさん本人もとうとう鬼籍に入ってしまいました。
ぼくは何枚か彼のアルバムを持ってるし、その中にはあの伝説の、
「ベルリンの壁を壊してる最中にベルリンに居合わせたので、
ぼくも壁に登って、『バンバンバン』を歌ったんだよね」
の時の録音もボーナス・トラックで入ってます。
その場に居合わせる、ってのが凄い。

ルー・リードがこんなことを言ってる。
「何をやっても飽きるもんだ。でもね、CからFにコードが移るのを繰り返すだけで、
未だにドキドキするんだよ。凄いことだこれは」
ドミナント・モーションは永遠だ。何なら、「ロックンロール」と呼んでもいい。























by momayucue | 2019-02-06 22:27 | 未分類 | Comments(0)

モンキーマインド・ユー・キューブ・バンドのミュージックライフ。 こんな時代も音楽でしょう!


by momayucue
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