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Qareeb/ナジマ

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はいどうも、前衛音楽家のたにぴ@もまゆきゅです。

ワールドミュージック喧しい80年代後半に、
「インド音楽はPOPには出来ても、前衛の方向にはいけない。基から充分に複雑なので」
と語る文献がありました。
ミニマル・ミュージックの才人達がインド音楽の骨子を取り入れた作品を発表し始めた70年代、
彼等はクラシックの作家なので、12音階を管理しているわけです。
そのポリシーを維持しつつ、新しい時代の音楽の可能性をインド音楽に見出した時に、着目したのは、
構成。
延々とモチーフと繰り返し、そのリフレインの中で時間の感覚を喪失してしまう。
10分なのか、2時間なのか、よくわからなくなる。ザ・トランス。
ところが一方に、異常に発達した音感というものが、インド音楽にはあります。
小泉文夫さんの著作には、
「インドの人は誰でも耳が物凄く良くて、西洋音階の半音の、更に4分の1とかを、
タクシーの運転手さんとかでもパッと言い当てます」
と書かれてました。驚いた。っていうか、世界が解らなかった。その耳の音楽世界って、どんなんだろ…。
ただ、長くインド音楽を(ワールドミュージックじゃなくて、純民俗音楽ね)聴き続けていると、
所謂西洋音楽のモード的に解釈して、その中で微分させて繊細な経過を作っているんだなというのが感じられてきます。
突拍子もないもの、ということではないんです。
ブルースがあるように、シタール音楽がある。

ぼくが今でも一番好きなのは、
日本では当時屈指の存在だった(今は演奏やめてしまったらしい)鈴木ひろしさんに教えてもらった、
Ustad Vilayat KhanとZakir Hussainのアルバム。
あの衝撃はなかなか超えない。

でも、今日は純インド音楽の話ではなくて、インドルーツのポップス。(^^;;;;
インド系イギリス人、なのか、イギリス在住だけどインド人、なのか、Najmaさん。
彼女は、ザ・ワールドミュージックの人。
サリフ・ケイタ(ぼくも好き)やユッスー(天才!)らと並び、ロックやポップスの世界の器を大きく揺さぶった中の1人。
オフラ・ハザかナジマかって。
Najmaは、漠然と聞いた話で確かじゃないかも知れないけど、
インドの財閥の娘で大金持ちで、シンクラビアとかをばんばん買っちゃう、とか。
シンクラビアは、今でこそ型落ちっていうか、
別のプラットフォームを使ってやる方が、安いし使い勝手もいいし品質も同等だけど、
80年代は、誰もが憧れたけど、億ですからねえ、そうそう買えない。
日本ではNHKのスタジオと冨田勲さんと加山雄三さんが、そしてのちに小室哲哉氏が2台買ったとか買わないとか。
高価なのに、いや高価だからこそか、19度以下でないと動作保証されなかったりね。
桁がひとつ違うフェアライトでさえオペレーターがいないとちゃんと動かないから、
人件費や、意思の疎通面でも色々だったろうな。
あ、シンクラビアって、20世紀後半に大活躍した、
シンセサイザー&サンプラー&シーケンサーしかもデジタル更にハードディスクレコーダーの最高峰です。
世界で最もこれを使い倒したので有名なのは、pat Methenyでしょうね恐らく。
シンクラビアって、
あらゆる音楽に、最良の形でフィットして、何なら映画音楽や、それどころか映画の効果音迄。
何でも高品質で関わったという意味では、もうレコーディング・スタジオと同等。
スタジオって、個性あるけどどんなジャンルにもフィットしようとしてるじゃないですか。
シンクラビアは、どうかするとそのスタジオすらシミュレートする勢いでした。

だから、今迄誰も聴いたことがないような音楽をやる音楽家にも、
楽勝で適応出来た。それがこれです。

しかし今日は脱線するなー。インドの古典からウスタッド・ヴィラヤト・カーンに行って、
ワールドミュージックになって、シンクラビアになって、
Najma。
インド的な音楽性と、POPであることと、エスニックな美貌。
80年代当時は、インドは古典だと想ってたし、ワールド・ミュージックに不信感を持ってたけど、
今だと、ずっと聴いていられる。音程もリズムも完璧に抑制されていて、
西洋音楽をはみ出しているけどちゃんと伝わる。らーが、ばいらび。
物凄くグルーヴィーなタブラと、ひとつ設定されたラーガの中を自在に動きまわる、
ヴォーカルと、ヴァイオリン。
和声的には進行しない、トランスするだけの時間軸。

それでね、笑っちゃうんだけど、やっぱりカレー食べたくなるんですよ。



































by momayucue | 2021-03-10 23:04 | 未分類 | Comments(0)

モンキーマインド・ユー・キューブ・バンドのミュージックライフ。 こんな時代も音楽でしょう!


by momayucue
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