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シェルパの見た、音楽の光と闇

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古代ギリシャの超有名な哲人が、
「音楽は危険なものだ。誰かがきちんと管理しなくてはいけない」
と言ったとか言わないとか。
何故「言ったとか言わないとか」なのかと言うと、実は漠然とした記憶しかなくて、プラトンなのかソクラテスなのか、もしかして私の妄想なのかも知れない。音楽の数学的特性から考えると、ピタゴラスかな……、どなたか正解の突っ込み、お待ちしてます。

しかし、多くの人が実感していることでしょう。また歴史にも枚挙にいとまが無い。
曰く、ゲッペルスがヒトラーの演説にワーグナーを用いたとか。
曰く、チャールズ・マンソンが女優のシャロン・テートを惨殺する際に、ビートルズの「ヘルター・スケルター」をBGMにしていたとか。

個人のささやかな体験では、N.Y.の港、埠頭に軍艦が停泊している脇で、ユーリズミックスのコンサートがありました。異常に興奮した聴衆が、警官の阻止するのも全く構わず、"wohhhhh"と叫びながら右拳を高々と上げ、「赤信号、みんなで渡ればコワくない!」宜しく、千人単位でどおっと渡ってしまいました。ぼくは彼等に向かって、大声で、
「てめえら共産主義者かあっ!」
とふざけて叫びましたっけ。勿論、コミュニストが悪い訳ではありません。勢いってヤツです。何となくアメリカ人に日本語で毒づいてみたかっただけ。全世界の正しい共産主義者の方、失礼しました。

「シェルパの黒い花」を、このblogからリンクさせて少しして、全く見知らぬ方から(だと想われる。名乗らないしメアドにも心当たりない)、
「こんなもの面白いと想ってるのか?もうやめとけよ」
という反響が来たことがあります。
まだ2話目くらいで、最後まで読んでどう想ってくれたか、解りません。最後まで読んでくれたかどうかも、解りません。たいした数のアクセスがあったわけでもないのに、その人は何か不穏なものを感じたということでしょう。
音楽や、絵や、あらゆる芸術や、言語コミュニケーションですら、時にホントに僅かな認識の違いで、不安、憎しみを呼び起こしたり、誤解したままの共感を得たりするもの。信号の「止まれ」は何故赤なのかを考えたことがあります。それは、もしや「赤」という色が既に人類の意識に「緊急」を刷り込んでしまっているのではないか。一部の動物は何故、毒キノコを色で見分けるのか。いや、匂いだって、何が悪でなにが友好か、確実な定義はない。あったらそれらの毒物にとっても合目的的でないし、生産性もない。
阪神淡路大震災で心に傷を負った年端のいかぬ男の子が、太陽や、景色を描くときに、黒く塗りつぶしてしまうようになったそうです。色を使う芸術家は、その色あいで、幸福や不穏や悲しみや切ない恋を表現したり出来る。私達音楽家が、dimのスケールを用いて不安感を誘う音楽を作るように。しかし、その音楽も、そして、絵も、取り敢えずこの場でもっと限定して「黒」を、悪や恐怖の象徴としてしまうことに、どうしても承服出来ない自分がいます。
あくまでひとつの例として、アフロアメリカンの遺伝子がもたらした黒人音楽の力は、どれ程素晴らしいものか。世界中のnot.アフロアメリカンが憧れてやまない。
そこをどう決着つけるべきか。まだ答えはみつからない。ただ、自分をニュートラルにする為にどんな準備が必要なのだろう。
問題の90%は、誤解の積み重ね、一貫性の崩壊、だと私は見ています。一貫性に関しては、過去の自分が正しいわけではないから、常に撤回する潔さと反省と、寛容だと。それしかないと。誤解は、……頑張れば多少なりとも防げるのではないか、と想う。もうひとつ、説得力の罠というものがあるのですが、これは、非常に重たいテーマです。また機会を改めてかかりたい。
森達也さんという人が、ある種のクレーム社会に走る風潮に、何年もかけて、殆ど身の危険をかけて警鐘を鳴らしています。
シェルパの村で、黒の前衛性に感化されてしまった人々は、どんどん不安感をつのらせてしまい、自発的にパニックになってしまった。一応シェルパは、ぎりぎりで踏みとどまって、楽団を理解したけど、……。
もしやまた、遠い街で、黒い花は、我侭な楽団は、何かを引き起こしてしまうんだろうか。

反発を感じたという方々(そんなに大勢の人が見てくれたわけではないので、それだけで充分感謝なのですが)へ。つまらない童話かも知れないですが、何処かで真剣に音楽を作っている、鼻っ柱の強い自称音楽家を見かけたら、まずいきなり没収しないで下さい。それは、もまゆきゅかも知れないですが…。それはないかなー。
どちらにしろそれは、愛に関する行為に違いない。

「その1」



「その2」



「その3」



「その4」


Commented by ひろみつ at 2008-01-19 20:03 x
メッセージ有難うございます。
拝見しました。僕も、いささか長文ですがメッセージで感想を送りましたので。
Commented by miu at 2008-01-19 21:38 x
赤って、血の色だからね。

色について、考えると面白いね。
気がつかなかったわ~。(今更って感じ)

青と緑って、自然界の中で、一番目にする色だね。

ん~、黄色は?太陽の色、月の色、これも、空をみればあるね。

赤って、花くらいしかないもんね。
あと、紅葉があるか、、、
でも、なかなか鮮やかな赤ではないよね。
面積少ないよね。

白は、雪だね。
黒は、夜空。星がないと、黒だもんね。

黒の恐怖感は、人間のDNAに
組み込まれてしまっているのかもね。
Commented by momayucue at 2008-01-20 02:42
ひろみつさま、メッセージありがとうございました。
でもここで、「メッセージのメッセージ」書かんでもええがな。
「ぼくが監督なら、これを映画にする」
ぜひ、やって下さい!いやもうぜひ!
その際は音楽はぜひわたくしに…、そりゃそうか。
miuさま、ども。
色に反応する人間の情報は、やはり遺伝子レベルなのかも、…とぼくも想います。
それでも、それに簡単に屈服したくない。それが今のぼくの立ち位置なんです。
…それは、…立ってないか。そうだね。
何かを「悪の象徴」と解釈してしまうのは、
実際には曖昧な「人の営み」をデジタルに処理するもので、
それは不必要に「悪」を特定してしまう気がしています。
それから、はちみつさんもメールくれたり、ありがと。
by momayucue | 2008-01-19 17:05 | もまゆきゅコンテンツ | Comments(3)

モンキーマインド・ユー・キューブ・バンドのミュージックライフ。 こんな時代も音楽でしょう!


by momayucue
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